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名前探しの放課後㊦(文庫版)

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坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」二人はXデーを回避できるのか。


辻村深月さんの本です。
 
あーヤバい、電車の中でウルウルしてしまった・・・。
 
初めて読んだ時は、どうしてもいつかとあすなのキャラクターを好きになれず、2回目に読んだ時もそうでした。
3回目で初めて、あすなの真っすぐさや負けず嫌いで、友達思いな所・・・好ましく思えました。
 
この話は、高校生という青春を生きる若者たちの友情モノとしても読め、淡い恋愛モノとしても読め、家族との絆という家族モノとしても読めて、青春ミステリとしても読めるという凄い作品だと思います。
 
最初はとにかく、他作品との繋がりのどんでん返しにただただニヤニヤしてしまって(嬉しくて)、そして今回はようやくこの物語自体を心から楽しめた気がしました。
 
ただ一人の肉親の祖父との絆。
一人の友人の未来のために、自分の時間を犠牲にしても協力し、未来を変えようと必死になる友情の大切さ。
人を信じる事――単純だけどとても難しい。
 
未来から過去に戻されたといういつかの言葉を信じた友人達。
そんなことって、実際にはなかなか難しい。
 
あすなの真っすぐさに感化されたいつか。
きっといつかとあすなは、今までにないくらい良い関係を築いていけるんだろうな、って思う。
 
あーやっぱり辻村さん、最高です。感動しました。