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和菓子のアン

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デパ地下の和菓子屋で働きはじめた梅本杏子、通称アンちゃん。個性的な同僚と、遊び心に満ちた和菓子に囲まれた、忙しい日々がはじまります。そんな中、謎めいたお客さんたちの行動の真相とは?


坂木司さんの本です。
 
坂木さん、初めて読みました。
とても読みやすい文章を書かれる方ですね。
 
本作は、何だろう。確か新聞でお薦めされていた記事を読んだか何かだったかな。
 
ずっと予約をしていたのですが、地元の図書館で発見たので借りてきました。
 
和菓子のアン、というタイトルから和菓子職人の女の子が成長していく時代小説とか、現代ものでも職人の女の子が云々という話なのだろう、ちょっと堅い感じの話なんだろうな、というように安易に考えていたのですが。
 
現代風のフリーターの女の子の杏子――通称・アンが主人公。
大副みたいにふくふくした容姿、親しみやすい風貌で、食べる事が大好き。
とびきり可愛い訳でもなく、個性があるわけでもなく。凄く普通の女の子が主人公だから、とても落ち着いて読む事ができました。
 
なにより、和菓子の描写がなんて美味しそうなんでしょう!
 
和菓子より洋菓子派ですが、和菓子・特にこの物語に出てくるような、上生菓子は見た目も鮮やかで美しくて、美味しいんですよね!
読みながらお腹が空いてしまうくらい、本当に美味しそう。
しかも食べてるアンが凄く美味しそうに食べるから・・・!
 
個性豊かな和菓子屋さんの職員達。
 
そこにさらっとした推理というか、ミステリが絡むという私には最高の組み合わせでした。
 
何だか読んだ後にほっこりと温かくなって、
ミステリ展開にも無理がなくて、和菓子の名前の由来とか、読んでいてそうなんだ!と思いながら謎解きを楽しむ事ができて、とても満足でした。
 
ぜひとも続編を書いて欲しいです!
面白かった―!