あなたに覚えていてほしい、わたしの未来の物語…。憧れの女性にタイムマシンで会いにいく表題作を含め、読み終えたらきっと誰かに話したくなる、珠玉の傑作11篇を収録。『SFJapan』ほか掲載を単行本化。
梶尾真治さんの本です。
期待していなかったのですが、その「期待をしていない」期待を裏切らない一冊でした・・・。
うーん・・・これはちょっと、なかなか微妙でした。
表題作はタイムトラベル系の話で、感動系なんだけど、いかんせん短編にするには惜しい素材だった気がします。
梶尾さんと言えば長編のイメージで、実際長編しか読んでいなかっただけに、短編のあまりにも急な展開についていけませんでした。
素材が悪くないだけに、とても残念。
感動系の話を想像していると、あまりにも本作に収録されている作風の毛色の違いと言いますか・・・ギャップに驚かされ、下手をしたら失望するかもしれません。
ブラックユーモアあり、本気でふざけている感じあり、感動系あり――と様々な作品が散りばめられているのですが、どうも「中途半端」感が否めなかったです。
個人的には、口裂け女の話と実際には存在しない世界で母親と再会し、だんだんと若返って行く男の話と、ダム建設で水に沈む分校の話が印象的でした。
しかし、これを購入したとしたら、間違いなく後悔するだろうな・・・と思う本でした。
一つ一つのパーツは悪くないのに、組み合わせて完成したらイメージと違っていた、みたいなね・・・。うーん。
