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月の恋人 ~Moon Lovers~

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お前の一言が、俺の運命を変えていく――冷徹な手腕でビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女。ありえない二人の物語は、美貌の中国人モデル、部下の社員らを巻き込んで予測不能の展開に……。話題沸騰、いま最高潮の人気作家がフジテレビ月9ドラマのために書下ろした眩いラブストーリー!


道尾秀介さんの本です。
 
月9ドラマの原作本というくくりがあったせいで、手を出さない人間が意外と多かったのではないか?
ドラマ版は何とも話に共鳴しにくく、分かりにくいとかで、視聴率もいつもの月9らしく振るわず、あまり面白くないという話をちらほらと聞いていました。
 
キャストを見た時点で全く興味が湧かず、道尾さんが原作を手掛けているというのを知っていても見ようと思いませんでした。
 
という訳で、この本も全く期待していなかったのですが・・・
 
もしドラマ版で楽しめなかった、という人にこそこの本を読んでもらいたいと思いました。
 
ドラマのキャストを見ていたら、この本の核となっている弥生の存在自体がなくてショックでした。
 
何だか背伸びしていない、何処にでもいる普通の女性像がここにあり!という感じで、読んでいてとても好感を抱いていました。
そして冷静沈着でやり手の若社長、蓮介が弥生との出会いによって少しずつ丸くなっていく様は、何だか嬉しくもあり。
 
3分の1くらいまで全然楽しく思えず、途中で挫折するかもしれない・・・と危惧していたのですが、中盤からラストまで、ぐいぐい読ませていただきました。
 
思っていたより恋愛小説っぽくなく、友情あり人の成長物語あり、と意外と面白く読めた事が驚きでした。
 
道尾さんのいつもの作風とは毛色が全く違いますが、ドラマの原作という制約の中で書き下ろされたにしては、私的には結構満足していたりもします。