回りつづける運命の時計。未来はどこだ。「6時間後に君は死ぬ」。見知らぬ青年にそう声をかけられた美緒。運命をかけた戦いが始まる。
高野和明さんの本です。
恥ずかしながら、高野さんを知らなかった私。
本好きの友人がお薦めしてくれたこの本。
たまたま地元の図書館で見つけたので(タイトルが印象的なのですぐに見つかった)、早速借りてみました。
読み始めて思ったのが、とても読みやすい癖のない文章であるということ。
そして、タイトルは思い切りミステリー(しかもダークな感じ)のイメージなのに、結末まで読み終えた後に感じるのは、温かい気持ちなんです。この爽やかな読後感は一体何?
というくらい、温かい気持ちにになれる作品でした。
人間の未来――ヴィジョンが見えてしまう青年・圭史が軸になった連作短編。
見えてしまったヴィジョンが実際起こることと外れたことは一度もない。
未来は変える事ができないのか?
「3時間後に僕は死ぬ」ではドキドキしながらページをめくり、
「時の魔法使い」では幼かった頃の自分と対峙した現代の女性が、忘れていた何かを取り戻すという痛いけれど、ちょっと切ない話。何だか自分自身を見つめなおしてしまうような・・・
「恋をしてはいけない日」も面白かったし、とにかく最後の最後まで楽しんで読む事ができました。
これはかなりの良作ですね!
また読み直したいので、文庫を買おうかと思ったくらいです。
ぜひ何度も読みたいと思う作品でした。