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Nのために

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「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。


湊かなえさんの本です。
 
予約して一体どれだけの間待っていたのだろう・・・というくらい待ってました。
 
一人称による独白で物語の真相が暴かれていく様は、「告白」そのもの。
 
思ったよりは後味が悪くなかったのですが(今までの作品が後味悪すぎた)、私はこれはこれで嫌いではないです。
 
なんとなく、登場人物の書き分けができていない感が残念ではありましたが、
Nが一体誰なのか?
 
殺人事件の真相とは一体・・・と考えていくと、すいすい読める作品ではありました。
 
でも、デビュー作であれだけ売れてしまうと、本当にそれ以上の作品を求められるからハードルが高くなってしまいますよね。
そしてどの作品も良い意味でも悪い意味でも似た雰囲気のものが多いので、そろそろもうちょっと違う感じの小説を発表してくれたら、広がりがあるのかもなあと思いつつ、何だかんだ気になって読んでしまうところが、湊さんの魅力なのでしょう。