2010年6月9日。
TOY、待望の1stフルアルバム「A City's Guidebook」が発売された。
先行シングル「そんな夜」、「バスの行方」は勿論、1stミニアルバムに収録されたいた「雨の街うわのそら」や、現在完売になっている「COLOR」に収録されていた「たそがれスーパーカー」、ライブではお馴染みの名曲「空色」がとうとう全国流通のCDとして収録されているなど、ファンにはたまらない一枚になっている。
私が初めてTOYというバンドを知ったのは、限定で販売していた「COLOR」である。
タワーレコードのギターロックの一角に、「もうすぐ販売終了」というポップがあり、その値段の安さにも驚いて手に取り視聴してみると、なんと爽やかなバンドなのだろうか!
そして私はそのままCDをレジへと運んだのである。
それから、1stミニアルバム「雨の街」が発売された。
このミニアルバムが発売してしばらくは、個人的に転職活動で精神的に参っていたこともあり、お守り代わりに何度も何度も聞いていた記憶がある。
聞けば聞くほど味の出る、絶妙な音。
何度かライブにも足を運び、私はすっかり彼らのファンになっていた。
それから、ベースのメンバーの脱退など、ファンとしては寂しい事もあったのだが、
現メンバーが加入、新制TOYとしての活動がスタートした。
「雨の街」からしばらくの間、新たな音源の発表がなかったが、シングル「そんな夜」、「バスの行方」の発表を経て、待望の1stフルアルバムが届けられた。
なんと嬉しい事だろう!
だが、「バスの行方」で感じた、今までのTOYにはない違和感。
爽やかで、ポップなギターロック、のイメージとは少しばかり違うような――
違和感を覚えながら、期待と不安の入り混じった気持ちで今回のアルバムを購入する。
しかしその違和感は、一聴した瞬間に吹っ飛んでしまった。
前作で強く感じた、「爽やかさ」「ポップさ」は抑えられ、より深い世界観を魅せつけてくれた。
そう、ポップではない、ダークなのだ。
一曲一曲が、深く深く心に入り込む。
ボーカル・横田の低く深みのあるボーカルが、そのダークな楽曲達に見事にマッチしている。
ふと流れてしまいそうな音達を、サビでぐっと掴み、放さない。
この心地良さ――ずるい、ずる過ぎる。
前作「雨の街」で私の好きな曲の一つであった、「雨の街うわのそら」の新録バージョンが収録されているが、これがまた良いのである。
そしてダークな曲達に紛れているが、名曲「空色」がとうとう全国流通の彼らの音源として手元に届けられたことは、ライブで何度も耳にしてきて音源化を希望していた私としては、とにかく嬉しい。
はっとするような美しいメロディーライン、冒頭からラストまで、思わず聞き入ってしまう名曲「空色」。
1曲目の「霞の向こう」から、ラスト11曲の「あかりが灯る」まで――
TOYというバンドの進化形を、このアルバムに見た。
という訳で、久々のレビュー。
もうぐっだぐだですね。どうしようもねえ。
シングルで「あーなんかTOYはちょっと変わってしまったなあ」と悲しくなっていたので、このアルバムの出来が素晴らしくて感動しました。
久方ぶりにライブに行こうと、ワンマンの予約をしたら、ベースの根本さんから直々に返信がきました。
これは相変わらず変わっていないみたいで、何だか嬉しくなりました。
ワンマンは前売り¥2,000。
ホームページからチケット予約も可能。
ぜひぜひ。