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蝦蟇倉(がまくら)市事件2

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海と山に囲まれた、風光明媚な街、蝦蟇倉。この街ではなぜか年間平均十五件もの不可能犯罪が起こるという。マンション、レストラン、港に神社、美術館。卒業間近の大学生、春休みを迎えた高校生、会食中の社会人、休日を過ごす教師。舞台も人も選ばずに、事件はいつでも起こっている―。様々な不可思議に包まれた街・蝦蟇倉へようこそ!今注目の作家たちが、全員で作り上げた架空の街を舞台に描く、超豪華競作アンソロジー第二弾。


 
6名の作家たちが、共通の世界――蝦蟇倉(がまくら)市を舞台に描くアンソロジー第二弾。
 
前回は道尾秀介さんと伊坂さんの作品が読みたくて借りたのですが、せっかくならばと第二弾も借りてみた次第。
しかし・・・
この街では年間平均15件もの不可能犯罪が起こるということで、住人も皆「殺(や)られる前に、殺(や)り返せ!」的な思考の登場人物が多いのと、一見傍観者や推理している側にいるようでいて、実は当の犯人だった――というパターンが多くて、正直後半でダレてきてしまいました。
 
最大の欠点は、そう。
ある作家とある作家の内容がほぼ似たような設定になっていたこと。
どちらも文章力があって読みやすいだけに、この偶然?の一致は不運としか言いようがないかも。
 
そして、全体的に最終的に実は犯人は・・・とネタ証をするパターンが似ている作品が多く、何だか「あれ?またこのパターン?」と思ってしまう事が残念でした。
 
そう言った意味では、米澤穂信さんの作品だけはちょっと別格だったかな。
有名な作家であり、それなりに売れている方ということもあって、やっぱり文章力も表現力も話も一枚上手だったと思います。
 
個人的には、越谷さんの今までの作品とは違ったダークな一面を見る事が出来たのは、新しい発見をしたようで新鮮でした。
 
メフィスト賞受賞作家の北山さんと秋月さんは勿論初めて読みましたが、北山さんの文章の読みやすさには敬意を!
多分北山さんが一番最初にきていなかったら、途中で挫折したかもしれないので。
ただ、話としては最後まで驚きがなく終わってしまったのだけが残念。
 
越谷さんと米澤さんだけしか知りませんでしたが、色々な作家の作品を試し読みできるという点では、アンソロジーは良いものなんですけど、当たり外れが激しいのだけが残念ですね。
 
個人的には、1の方が面白かったかな・・・。