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Two Trains ~とぅーとれいんず~

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ほんの一瞬だけ並行して走る、二つの電車。それぞれの胸に、違う痛みをかかえて生きる、ひなたと美咲。そんな二人の、忘れられない出会いを描いた表題作「Two Trains―とぅーとれいんず」ほか四作。女の子の日常の、ゆれる心をとらえた短編集。


魚住直子さんの本です。
イラストはあずみ虫さん。
 
以前は結構児童文学にも手を出していたのですが、そういえば最近ご無沙汰していたなあと思って児童書のコーナーを見ていると、魚住さんの本を見つけたので借りてみました。
 
字も大きく、ページ数も少なめの短編なので1時間かからずに読めちゃうのもポイント。
 
魚住さんの本は、「非・バランス」「オレンジソース」「リ・セット」など、何作か読んできましたが、児童書であると侮れないほど、読んでいてはっとさせられる部分が多いんです。
 
今回も、5つの短編が収められていましたが、
小学校高学年という凄く非・バランス的な(ぐらぐらしてる、不安定な感じ?)、あの年頃独特の気持ちを思い出して、何だかはっとしてしまいました。
 
女子って、何でグループを作って群れたがるんでしょうね。
例にもれず、私もそうやって生きて来ましたけど、グループ内で誰かが誰かを貶めたり、つまはじきにされた途端に別のグループの子が、無理に私たちの所に入ってこようとしていたのを、強く覚えています。
 
大人になって、グループをもって付き合っている事の視野の狭さに気づき、一人でも行動できるようになりましたけど、あの頃って一人でいる女子自体が変わりもの以外の何物にも見られないんですよね。
 
なんだかなあって思いつつ、一つ一つの短編の主人公達の悩みやそれを乗り越えていく強さに、大人になった私は思わずじんとしてしまいました。
 
お薦めです。