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妖怪アパートの幽雅な日常⑩

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大家さんは黒坊主、食事係は手首だけの幽霊、同居人は気のいい妖怪たちがどっさり、地下に洞窟温泉が湧き、ことあるごとに宴会で大騒ぎ、というアパートで三年間の高校生活を過ごした夕士。いよいよ卒業の春を迎える―が、高校卒業を目前に長谷の祖父が亡くなった。
その後に残された執念が恐ろしい形となって二人の目の前に現れるが、立ち向かう二人はさらに絆を深め、逞しく成長する――


 香月日輪さんの「妖怪アパート」シリーズ。

 
このシリーズ、余白が多かったりするのと読みやすいので、今日は一気に2冊読んでしまいました。
 
うーん・・・これは、人によっては納得いかない終わり方、かもしれませんね。
 
長谷の祖父が、あのような形で登場し、夕士と長谷が命の危機にさらされて、それを乗り越えた後は、なんだかクライマックスが過ぎ去ってしまったエピローグ的な展開になっていたので、盛り上がりに欠けた気がして残念でした。
 
最終的に、夕士達の10年後の姿が描かれている訳ですが、あまりにも事がうまく行き過ぎていて・・・現実主義な私としてはうむむと唸ってしまうところ。
 
千晶先生が「今も教師だったらと・・・残念です」の後に、交通事故の話が出てきたので、よもや・・・!
と衝撃を受けていた所だったので、あの結末には満足しましたが。
 
クリが意外とあっさりとああなったことや、あまりにも綺麗な結末には納得いかない部分はあるんですが・・・
 
それでも、この10巻では長谷と夕士の友情というか、深い繋がり、人が誰かを大切に思う気持ちの大切さに何度も気づかされて、目頭が熱くなりました。
 
個人的には長谷と千晶先生のその後がもっと気になる所なのですが、るり子さんの超絶美味料理を文字からでも堪能できなくなってしまうのは寂しいですね。
 
10巻は長かったですが、児童文学と侮るなかれ!
 
大人にこそ読んでもらいたいシリーズでした。