No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

潮風に流れる歌

イメージ 1
 
クラスの雰囲気をつくる“裏掲示板”。発言力のあるやつにビクビクする日々。目立たないよう適当に過ごせればいいと思っていたぼくが、変わりたいと思った。自分らしくあることの大切さ、素敵さ。そのことに気づかせてくれたのは、君―。坪田譲治文学賞作家が贈る青春群像劇。
 


関口尚さんの本です。
 
関口さんは、自分の家から割と近い場所の栃木出身の作家さん、ということでずっと応援している作家さんの一人であります。
 
書店で新刊が出ている事に気づき、慌てて予約。
 
今回は、章ごとに語り手を変えて物語が進行していくという、関口さんには珍しい手法での作品になっています。
 
 
関口さんが描く女の子って、何でこんなに魅力的なんだろう!
といつも読む度に思います。
 
同じ女であるはずの私だけど、別の生き物みたいにキラキラしているんですよね。
男の子から見た、魅力的な女の子像というのがこういうのなのかなあ・・・・なんて思いながら、今回もさくさく読みました。
 
今回は学校裏サイトに翻弄されている学生っていうのがテーマなんですかね。
 
つくづく思うのですが、今の子ってストレスが半端ないですよね。
陰口は言われて嬉しい人なんていないと思うけど、裏サイトって誰から言われているか分からない匿名性を持った悪口を言い合える場所、みたいな気がしちゃいます。
 
自分が高校に入学した時には、携帯を持っていない人がクラスで3分の2くらいはいましたけど、今の子は小学生だって携帯を持っていたり、下手すればPCだって持っているんですよね。
 
悪口が書かれていないかを、見なければいいのに見てしまう心理――
 
それは何となく理解できるようなできないようなっていう感じですが、この物語の中ではこの裏サイトがきっかけで変われた4人の若者達の姿が爽やかに描かれていて、それだけが少しだけ救いでもありました。
 
それにしても・・・絶対美玲みたいなタイプは面倒くさそうだなあと・・・・。
顔が綺麗っていうだけでもてちゃう女の子で、良いやつなのに何故かそういう子に惹かれちゃう真悟君みたいな人間もいるんだよなあ、なんて。
 
この子達の気持ちが分からない部分が多くなってきたのは、やっぱり自分がそれだけ歳を取ったという事なんでしょう。
それはちょっとだけ、寂しいですね。
 
今回も素敵な物語を届けてくれた、関口さんの新作。
ぜひぜひ。