No-music.No-life

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太陽のパスタ、豆のスープ

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暗闇をさまよう明日羽に、叔母のロッカさんは“リスト”を作るよう勧める。溺れる者が掴むワラのごとき、「漂流者のリスト」だという。明日羽は岸辺にたどり着けるのか?そこで、何を見つけるのか?ささやかだけれど、確かにそこでキラキラと輝いている、大切なもの。読めば世界が色づきはじめる…“宮下マジック”にハマる人続出中。


宮下奈都さんの本です。

生きていく上で、何よりもまず食べる事が必要なんだなという事を再確認した話でした。

宮下さんの本は、もう何冊か読んできましたが、ほわっとした温かさに包まれる読後感が良いですね。
 

主人公のあすわは、妙齢の結婚を控えた女性。
突然、婚約者から別れを切り出され、自分には何もないと気付いて愕然とする。

叔母のロッカから、リストに自分がやりたい事を書いて、実現してみる事を提案される。

鍋を買う、髪を切る、神輿、玉の輿…

実現しやすい事、実現できなそうな事、一つ一つやり遂げて行ったり無理だと諦めたり。


自分が休んでも誰かが仕事をこなしてくれる程度の仕事しか任されていないと虚しくなったりするあすわの姿は、一昔前の自分を見るようでした。

豆との出会いが、あの小さな豆が!笑
あすわを少しずつ前向きに変えていくのはなんだか出来過ぎの気もしますが、無理しないで一歩ずつ前に進み始めるあすわと一緒に、自分自身も頑張って行こうと思えた本作でした。


個人的には、あすわに一目惚れした男の子とのその後が気になりました(笑)