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神様のカルテ

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栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。




夏川草介さんの本です。

デビュー作なのに、話題性もあって大層売れている本ということで、気になって図書館で予約した時には、既に100件以上の予約が。

そうこうしているうちに会社に行くのもあとわずかな日々となっていて、間に合うだろうか・・・と思っていた所、丁度良いタイミングで手元にやってきました。

手にしてみると、あらら薄いわね。
そして字も大きくてすぐに読めちゃいそう・・・と思って、とても期待をしながら読みました。

かくして2時間かからず読み終わりましたが・・・

あれ?

これで終わり??

という感が残りました。
あんなに話題になっていたし、売れているんだからきっと印象的で良い作品なんだろうと思っていたこの作品でしたが、

結局タイトルの意味する事は何だったのかを最後まで理解することができませんでした。



なんだろう・・・

万城目学氏や、特に様々なレビューを書かれている方の意見を見ると、森見登美彦氏に似た文体なんですね。
なので、この二者の作家が好きであれば、まず間違いなくすっと入りこめる文体ではないかと思います。

むしろ、モリミーよりマキメ派な私としては、森見さんのやや堅苦しくユーモラスな文体よりは、この夏川さんの文体の方が読みやすさを感じたくらい。

何を思ったのか、森見さんの装画を担当していた中村佑介氏と似た雰囲気を持っているカスヤナガトさんの装画の本作。

意識して書かれていたり・・・・するんでしょうか??


まあ話は戻りますが、決して読んで損した!とか駄作だった!とかそういう読後感ではないんです。
良い意味で爽やかで、後味だって悪くないんです。

主人公の細君が可愛かったしさ。


だけど、読み終え後に残るものがない・・・っていうのかな。
あまりにも綺麗で爽やか過ぎて、強く印象に残るものがなかったんですよ。。。

駄作やつまらなかった!と思える本にすら、そういう何か強いインパクトは残してくれたりするものなのに、何故かこの作品にはなかった。。。

なんだろう。
しっくりこないこのもやもや感。

また読みたいかと言われたら、もういいわ、っていう感じの中身がないって言ったら失礼なんだけど、心に残らない作品でした。

失礼ながら・・・何で売れているのかな?という感じがする。
何かメディアで紹介されたりしたのかな?

無名の新人のデビュー作がこんなに売れているんだから、例えば湊かなえさんの「告白」ばりにインパクトがあったら、何となく納得できたんですが。。。

うーん、酷評するつもりはなくて、別につまらなかったとかじゃないんだけど。。。
とにかくしっくりこなかった。

不思議な作品でした。