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弁護側の証人

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あっと驚くどんでん返し!
財閥の放蕩息子に見初められ結婚した蓮子は、慣れない生活に息苦しさを感じていた。そんな折、財閥当主が殺される。殺人罪の裁判の行方は? 驚愕のどんでん返し、ミステリの金字塔!(

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小泉喜美子さんの本です。

予約してから大分日が経っていたので、予約したことも忘れていました。
書店で、多分何か気になるポップと共に推されていたのだと思います。
初めて知り、初めて読んだ作家さんだからです。

昨日まで読んでいた、島田さんの本が、かなり字が小さかったので、急に大きくなった本作になかなか慣れず、昔の作品ということもあるのかもしれないけど(でも、不思議と古くささはありません)、この方の文体…敢えて漢字変換しない部分に慣れず、読みにくさも感じました。
また、裁判関係の話でもあるので、専門用語が難しかったり。
しかし、最後の十一章で、急に目が覚めたかのような気持ちになります。
そして、今まで見事に騙されていたことに、この時ようやく気づいたのです。
文章は苦手ですが、ミステリとしては傑作です!

そういえば…何気に解説が、大好きな道尾秀介さんでした。
どんでん返しにびっくりし過ぎて、理解力がなくて置いてけぼりになったような気分だったので、巻末の道尾さんの解説で、ようやくしっくりきました。

道尾さんが、「復刊されることになってガッカリした」というくらい、人に教えたくないくらい特別な作品なんだそうです。
乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」以来の衝撃でした。思わず冒頭から読み直してしまったくらい。

ぜひ読んでみてください。

この作家さん、1985年に事故死されているんですね。
私が生まれて間もなく死んでしまった作家さんの本を、20年以上経った今、こうして読んでいるということが、何だか不思議です。