夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い一週間の中で、僕は彼女に恋をする。あれから十三年…。僕は彼女の思い出をたどっている。「殺人」の罪を背負い、留置場の中で―。誰もが持つ、切なくも愛おしい記憶が鮮やかに蘇る。第42回メフィスト賞受賞作。
白河三兎さんの本です。
帯に辻村さんのコメントがあり、気になっていた作家さんでした。
ずっと男性作家なのかな?と思っていたのですが、どうやら女性のようですね?
文章を読んだ感じでは、自分より若い気がするのですが・・・プロフィールには生年月日すら書いてないので、気になるところです。
文章を読んだ感じでは、自分より若い気がするのですが・・・プロフィールには生年月日すら書いてないので、気になるところです。
さて、今回の作品です。
デビュー作にしては、とても読みやすかったです。
そして、僕の高校時代の話と、29歳の現在という二つの場面で進行していく話なのですが、学園ミステリといった趣でしょうか。
そして、僕の高校時代の話と、29歳の現在という二つの場面で進行していく話なのですが、学園ミステリといった趣でしょうか。
留置場にいる現在の僕が、一体過去に何の罪をおかしたのか。
一見すると、僕が「彼女」を殺害したかのようにも取れるあらすじ。
しかし、読んでみると・・・
しかし、読んでみると・・・
自分は村上春樹さんが苦手なのであまり読んだ事がないのですが、村上さんの影響を多分に受けている文章らしいですね。
まあそういうのを気にしなくても、癖がなくてとても読みやすいという点では初めての作品にしては高評価でしょう。
けれどまだ第一作目であることを考えると、今後こういう難点は改善されていくだろうし、あまり問題ではないように思います。
今後に期待がもてる作家さんです。