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対話篇

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偶然の出会いの先に無限に広がる可能性から自ら選び取った、たった一つしかない奇跡、それが今、僕と君がこうやって向かい合っているということ―記憶を彩るすべての物語は、こんなかけがえのない「対話」から生まれているのかもしれない。不朽の名作中編集。




金城一紀さんの本です。

金城さん、かなり久しぶりに読みました。
読んだのはGOだけで、しかも数年前だから本当に久しぶりでしたね。

友達に薦められて読もうとした本が置いてなかったので、この本を手にしてみました。

いやあ・・・思いがけず良い本に出会えました。

3つの中編が収録されているのですが、一つ一つの物語にちゃんと繋がりがあって、良い意味でとても良い余韻を残してくれました。


恋愛がテーマ?になっているんですが、単純な恋愛小説になっていないところがうまい。

二重にも三重にもなる恋愛の話が、様々なエピソードに絡んで映えます。


それにしても、自分に関わった人間を死なせてしまうという「恋愛小説」の男の子が何だかとても切なかったです。

何故か自分に優しくしてくれた人間、関わりを持った人間が、不慮の死を遂げてしまう。
幼いころから、身内や友人を失い続けてきた男の子が、そんな運命に抗ってでも手に入れたいと思って受け入れた女の子との物語。

何だかとても切なくて悲しい話なのに、だけど確かにこの男の子の言っていることは強がりでも何でもないのかもしれない、なんて事を思いました。


それにしても、金城さんって文章がとても上手いですね!