落ちていく速度は転げるように早い――
ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、小学生の麻由から弁当を手渡される。巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、運命を加速度的に転落へと向かわせる。見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちるとき、人は自分を守れるのか!?驚愕の心理サスペンス。
永嶋恵美さんの本です。
書店で見つけて、気になっていた本を予約して読んでみました。
うわー・・・・本当に転落していく話でしたね。
凄い!
凄い!
もう冒頭から一気に引き込まれて、第二章・第三章と展開がめまぐるしく変わり、真実が明かされていく度に、とてもほの暗い闇の中に引きずり込まれていくかのような重苦しい空気に満ち溢れていました。
しかし、もう私はこの程度では読後感が重いなんて思いません。
後味の悪さなら、湊かなえさんにも負けず劣らずですが、永嶋さんは更に文章がとても上手い。
きっと湊さんと同じ題材を書いたら、絶対に永嶋さんの方が上手いだろうなと思いました。
それくらいにこの重々しく漂う暗さ・・・これをこんなにも表現出来る人はいないのではないかと思いました。
それくらいにこの重々しく漂う暗さ・・・これをこんなにも表現出来る人はいないのではないかと思いました。
第一章から、ホームレスと小学生の少女との奇妙な交流から始まる奇妙な物語。
<ネタバレあります>
てっきりこのホームレスは男なのだろうという頭で読んでいると、第二章でまず驚きます。
そして、第二章の語り手の過去。
このホームレスをかくまう事になった女だが、自分の息子を殺した女を何故自分の家でかくまう事が出来るのか?
このホームレスをかくまう事になった女だが、自分の息子を殺した女を何故自分の家でかくまう事が出来るのか?
その小さな疑問を感じながら、どんどん明かされていく衝撃の事実にとにかくページをめくる手が止まりません。
ミステリという頭で読んでいなかったので、どんでん返しに驚きつつ・・・しかしこの一面に漂うほの暗さがやみつきになってしまいそうでした。
気になる作家さん、見つけました。