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ハッピーバースデー 命かがやく瞬間(再読)

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「おまえ、生まれてこなきゃよかったよな。」十一歳の誕生日、ママと兄のひと言から、あすかは声をなくしてしまう。祖父母の愛と自然の中で回復したあすかは、「自分は自分として生きる」と強く心にちかった。でも、問題はあすかだけではなかった。小さい時の心の傷から、あすかを愛せないママ。両親のいう通りの人生に、疑問を持ちはじめる兄・直人。そして、あすかを待ちうけていたのは、大好きな祖父と、親友めぐみとの永遠の別れだった…。




青木和雄さんの本です(挿絵は加藤美紀さん)。

先日フジテレビでドラマ化されたので、今日録画したやつを観ました。

随分設定が違うし、母親とその両親(あすかの祖母・祖父)との問題にスポットをあててる感じで違和感があったのだけど、ドラマはこの児童書版ではなく、文芸書として刊行されたハッピーバースデーをメインに作られていたからだったのか。

うーん、やっぱり原作を読み返してみて思ったけど、ドラマは微妙だったな。

児童書なので、柔らかい表現ではあるけれど、実際にいじめ・虐待など様々な問題を扱って相談員をしていらっしゃる青木さんなので、現実が割とシビアに書かれているのも大きな特徴ですかね。

だからちょっと結末が都合が良いような気はするけど、ひねくれた私が大人になった今読んでも、割とすんなりと受け止めることが出来る作品でした。


初めてこの作品を読んだのは、中学2年か3年の時だったと思います。
当時8人の仲良しグループ内で誰かがこの本を学校の図書室で見つけて読んでから、「感動するよ!」と薦められて、グループ内で借りて読むのが流行ったのですが(笑)、そこから担任の先生にまでそのブームが波紋して、「良い本だ」と仲間内で有名になった本でした。

それから自分でもこの本を購入して、何度も読んだ作品なんですけど・・・今読んでも当時読んでも(もう10年以上経つのに!)、変わらない大切なものを与えてくれる作品でした。


ドラマ版は、そもそもあすかと兄の年齢設定がぐっと引き下げられていて、だから原作では割と大きな役割を果たす兄の存在が弱かった・・・
そしてのぞみちゃんの演技では、どうにも泣けなかった。
本来なら泣けるシーンとして撮影されているお葬式のシーンや、母親との心が打ち解けたシーンなど、全然泣けない・・・

うーんのぞみちゃんは可愛いけど、演技力は・・・。

そして、どうにも母親役が様になっていない気が(というか、私の中で母親のイメージがないのです。綺麗過ぎて)する木村さん。
泣いたりわめいたり、かなり感情的なシーンが多かったのですが、どうもしらけてしまいました。

おじいちゃんとおばあちゃんも・・・特におばあちゃんの加賀まりこが綺麗過ぎる(田舎のおばあちゃんという設定の割には)というのが違和感があって。

一番良い味をしていたのが、特別出演した三國さんです。
死んでしまう設定が変わっていたりしましたが、三國さんはかなり良い味出してました。


私としては、母親にスポットをあてるよりは、あすかが傷ついたのちにゆっくりと回復して変化していく様を描いて欲しかったかも。
でものぞみちゃんだからそれは難しかったかな。。

ともあれ、ドラマ版が気になった方はぜひこの児童書版の原作を読んで欲しいです!
名作です。