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いなかのせんきょ

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全国1億の有権者に贈る、これぞ日本の清く正しき選挙小説!?
談合、根回し、饗応、買収。無理が通って道理が引っ込む??
「奇麗事では済まんぞ、田舎てとこは」
四方(よも)を深い山々にかこまれた鍵田原(かぎたわら)郡戸蔭(とかげ)村??。莫大な借金を残し引責辞任した前村長の後を受けまして、村議・深沢清春(ふかさわきよはる)は助役・平山忠則(ひらやまただのり)に村の立て直しを請(こ)われます。村長におさまった清春の改革によって、戸蔭村は平和な村になりましたとさ……と参るわけがございません。なんと清春を推(お)した平山が対立候補として出馬! おまけに土建屋、材木屋、村会議長??村中の有力者が推薦人にずらり。ここに戸蔭村、数十年ぶりの選挙戦が勃発したわけでございます。人も足りない、金もない。あるのは村への想いだけ。ないない尽くしの深沢清春、家族を頼りに打って出た、一世一代の大勝負の行方や如何(いか)に!?

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藤谷治さんの本です。

藤谷さんは、「船に乗れ!」(3巻出ましたね!)で知った作家さんですけど、何作か読んで作品によって、好き嫌いがあるなあという印象でした。

本作は、何だろ?
タイトルだけ耳に残っている感じなのは、何か映画かドラマになったんでしたっけ?

最初読み始めた時に、うわ…これは読みきれないかも。。と思ったのですが、いつの間にか物語に引き込まれていました。

市町村合併に失敗し、財政赤字の村の村長に立候補することになった深沢清春の、真面目で実直な性格が、思いの外好感がもてました。

小さい村では、そもそも立候補者が複数出ることが珍しい事であり、そんな村全体が選挙で盛り上がる様が、読んでる分には思わずクスリとしてしまうのです。

選挙なんて、私は今まで二回しか行った事がなく、どの立候補者も、皆同じに見えてしまうのです。
どうせ実現しない、綺麗事ばっか並べてるだけじゃないってね。
でも、こんな真っすぐな候補者がいたら、投票したくなるなあと素直に思えました。

意外とすいすい読めて、楽しめたのでなかなか満足した一冊でした。