お気楽不動心の早苗と武蔵オタクの香織も高校３年生。早苗は福岡の剣道強豪校で新たな仲間を得て練習に励み、相変わらず硬派マイペースの香織も後輩の指導に頭を悩ませる日々。福岡と神奈川で武士道を極めた早苗と香織が、最後のインターハイで戦う。その後に立ち塞がる進路問題。登場人物たちの１８歳の決断とは──
誉田哲也さんの本です。
この武士道シリーズを読む度に思うのですが、あの「ストロベリーナイト」の姫川玲子シリーズや「ジウ」シリーズを書いた人と同一人物って嘘だろ？！と。
誉田さんの作品は、基本的に誰かが死ぬとか殺人だの事件だのと血生臭い作品が多いです。
と同時に、「疾風ガール」シリーズのバンドをやる女の子の話みたいのも書いちゃうのだから、本当に凄い。
誉田作品は、私の中で好きなのと嫌いなのがある訳ですが・・・このシリーズは本当に良い！
性格も、剣道に対するスタンスや戦い方も、何もかもが正反対の香織と早苗。
なのに、回を重ねるごとにお互いが強くなって、信頼しあって、くじけそうになったり・・・そういうのを繰り返していきながら、着実に変わっていくのが分かって読んでいてとても清々しいです。
なのに、回を重ねるごとにお互いが強くなって、信頼しあって、くじけそうになったり・・・そういうのを繰り返していきながら、着実に変わっていくのが分かって読んでいてとても清々しいです。
「武士道シックスティーン」の頃の香織とは、最早別人ですよね。
香織も、早苗もお互いに触発されて、少しずつ少しずつ変化している。
親友でもなくて、とびきり仲が良いという訳でもなくて、近づきすぎず、遠すぎず・・・
これが戦友ってやつなんでしょうか？
これが戦友ってやつなんでしょうか？
この二人みたいな関係、憧れます。
多分エイティーンまではシリーズを続けられるだろうと思ってましたが、この本の終わり方もまた・・・続きが書けそうな終わり方ですね。
割と唐突な終わり方なので、続きが読みたいような気もしますが、でも敢えてここで完結！とした方が潔くて「武士道」っぽいのかも。
割と唐突な終わり方なので、続きが読みたいような気もしますが、でも敢えてここで完結！とした方が潔くて「武士道」っぽいのかも。
本作は、早苗の姉と岡巧の恋の真相（早苗の姉が語る章）や、早苗の部活の顧問である吉野の過去と、香織の通っていた道場の先生である桐谷氏とが意外な所で繋がっていた事、香織と早苗の後輩の田原の葛藤（田原が語る章）の合間合間に、書き下ろしで香織と早苗の章が入っている構成。
香織と早苗サイドでは把握しきてていなかった部分が、これですっきりします（笑）
そういえば、「武士道シックスティーン」が映画化ですね。
二人とも演技が下手とかいう訳ではないんだけど、いい加減勝気な人物＝成海璃子、明るくてはしゃいでる＝北野きい、という安易なキャスティングから卒業した方がいいんじゃないか・・・とそんな事を思います。
特に実写化したらこの子、っていうイメージがあった訳ではないのですが、このキャストしかいなかったんですかね？
個人的に最近可愛くて気になる、山下リオちゃんが脇役なのもちょっといけすかないです。。
とは言え、原作が好きなので観ちゃうけどね。
先日見た「風が強く吹いている」のように、ちゃんと俳優陣にも剣道をやっている人、のように役作りは万全にしてほしいです。
どうか原作に泥を塗るような出来にだけはならない事を祈ります・・・・。
どうか原作に泥を塗るような出来にだけはならない事を祈ります・・・・。
