No-music.No-life

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アンダンテ・モッツァレラ・チーズ

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「盲目の少女にマーガレットを差し出しているフランケンシュタイン」「エッフェル塔の先端にスカートのお尻を引っかけて宙ぶらりんになったままトランペットを吹いている花嫁さん」など全身奇天烈な洋モノのタトゥの女・由果31歳は、勤務先の同僚であるへんてこりんな博覧強記男・健次と同棲をしていた。二人は、いまだに尾崎豊を崇拝しへたくそな下北沢路上弾き語りを続ける美形の男や彼に恋してしまったキリスト絶対主義のお金持ち令嬢、運転が世界一うまいハードボイルドな映画マニアといったクセ者揃いの同僚たちと、どれだけバカで笑える話をネタとして供せられるか、に命をかけて過ごしていた。そこへタトゥ偏愛営業部長が策略を起こし、事態は思わぬ展開を迎え――




藤谷治さんのデビュー作です。

いやぁ!参った!

デビュー作のが面白いじゃないの!って思ったからです。

昨日読んだ本が物凄く面白くなく、全然期待しないで読んだのですが・・・このへんてこで出鱈目でバカなノリ、嫌いじゃないです。

特に鬱々と落ち込んでいる毎日を送っている私みたいなやつは、読んで正解でした。


雰囲気は、笹生陽子さんや伊藤たかみさんの初期作品(児童書向けの作品)に似ているかな。

本人はいたって真面目なんだけど、ふざけているとしか思えない展開が凄く良い。

中身はすっからかんかもしれないけどね(笑)

劇的な何か、はラストに起こる事件くらい。
終始喜劇で、くだらなくて笑える能天気さが逆にこの作品を生き生きとさせている!



9・11テロの話が盛り込まれて、ある意味でその事件について批判しているというか、痛烈且つ大胆に描かれている感じなんだけど、同じくその9・11の事件について触れられている、昨日読んだ本よりはこっちを断然お薦めしたいです。

こういう作品も書くんだなあ、と新たな発見をしたような気分です。
嫌いじゃないです。