続巻待望の青春音楽小説、「光と影」のさらに色濃い第2楽章へ。
藤谷治さんの「船に乗れ!」シリーズ、待望の第二巻。
ああ・・・!
不覚にも泣きそうになってしまった。
不覚にも泣きそうになってしまった。
1巻では、なかなか1ページの重さにページをめくる手が進まず苦戦した部分もあったのですが、2巻はもう、そういうのが一切なかった。
ぐいぐいと物語の世界に引き込まれて、津島の気持ちにたってやきもきして・・・
一体南に何があったのだろう?
もしや、まさか・・・そんな事を思っていると、思っていた結果が待っていて。
一体南に何があったのだろう?
もしや、まさか・・・そんな事を思っていると、思っていた結果が待っていて。
美しく、誰よりも負けず嫌いで、音楽の才能のあった南。
音楽一家に生まれ、裕福な家庭環境と、自分が「高貴な人間」であると信じて疑わなかった津島。
音楽一家に生まれ、裕福な家庭環境と、自分が「高貴な人間」であると信じて疑わなかった津島。
その二人が出会い、いつしか恋仲になることはもはや自然の事で。
だけど、裕福であるかそうでないかという差は、ここで顕著に表れてしまう。
そして、女にとって男の存在というのは、自分自身を見失うには十分すぎる程の存在であるということが、決して音楽に対する想いに関してはぶれないだろうと思っていた、南をも蝕む。
南があの時、あんな気を起さなければ。
その選択をしなければ・・・
その選択をしなければ・・・
そうしたら津島も、「卑怯」な過ちを犯さずに済んだのかもしれない。
そして、南は志半ばで夢をあきらめなければいけなくなった。
その選択は、きっとどちらを選んでも後悔するのではないだろうか・・・
そして、南は志半ばで夢をあきらめなければいけなくなった。
その選択は、きっとどちらを選んでも後悔するのではないだろうか・・・
16歳。
高校二年生。
高校二年生。
当人達は大人だと思っていても、まだ一人で生活する事もできず、親に頼って生きている存在なのだ。
どうしたって子供で、まだ大人にはなれない――
どうしたって子供で、まだ大人にはなれない――
きっと、大人になった津島が回想する形で語られるこの物語だから、大人になってからようやくこの時の事について、色々考えることが出来るようになったという語りから観られるように、大人であったら、解決出来たような、単純な問題だったのかもしれない、と思う。
だけど彼らはどうしようもなく子供で、無力な人間なのだ。
・・・という事を、あー!って思いながら読んでいたら、悔しくて悲しくて、泣きそうになってしまった。
吹奏楽部に所属していたことがある私は、オーケストラの事は分からないんだけど、合わせる楽しみみたいのは知っている。
大会が近付くと、先生の指導にも熱が入って、苛立たしげにタクトを振る先生の事もふと思い出した。
本章の結末の、音楽に対する想いや、絶対的に揺るがない音楽の壮大さが、また切ない。
まだ続きがあるんです・・・よね?
津島がこれからどう成長していくのか、とても気になる。
久々に素晴らしい音楽小説を読んだ気がします。