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ガラス張りの誘拐

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「私は断じて愉快犯ではない」―世間を恐怖に陥れている連続婦女誘拐殺人事件。少女惨殺の模様を克明に記した犯行声明が新聞社に届けられた。ところが、家族や捜査陣の混乱をよそに、殺されたはずのその少女は無事戻り、犯人とされた男は自殺、事件は終結したかに思われた。しかし、事件はまだ終わっていなかった。捜査を担当している佐原刑事の娘が誘拐されたのだ!しかも、犯人は衆人環視のなかで身代金を運べと要求する…。犯人の目的はいったい何なのか?刑事たちを待ち受ける驚天動地の結末とは!?偉才が放つ奇想のミステリ。




歌野晶午さんの本です。

ははあ!
まさかこの人が犯人とくるとは・・・!


歌野さんはもう、最近気になる作家さんの一人ですが、密室殺人トリック系か、独特な一人称語りの話か、本格ミステリか、ホラーか、と実に多種多様な作品を書く方だと思います。

その中で、ミステリの話はとても上手いです。
読んでいて面白くてどんどん引き込まれる。

本作は、ある意味一風変わった誘拐事件に絡んだミステリ作品となっています。

章ごとのタイトルが
第二、第三、第一の事件と順番が変わっているのも不思議に思いましたが、実際に内容を読んでみてそれも納得。

第一の事件で突然一人称の語りになって、この人物は一体誰なのか?と思っている所で、意外な種明かしがあり、最後の予想外の犯人が・・・という結末になるのは驚きました。


ただ、突然語り手が変わる事に違和感があって、エピローグが唐突な気もしてしまいました。


個人的には、この心の病気を持った刑事は好感が持てましたけどね。