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モノレールねこ

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小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが……。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現われる、大切な人との絆を描いた8編。 解説・吉田伸子




加納朋子さんの本です。

実は表題作は、ダヴィンチのアンソロジー小説で読んだ事がありました。
タイトルといい、内容といいかなり良い印象を受けた作品で、本作の単行本が出たときに気になって読もうと思っていたのですが、結局読まないまま時が過ぎ・・・

そして、文庫化されておりました。

書店で見かけて買おうか迷って・・・だけど買わずにいたのですが、いつもコメントを下さりお世話になっているROMANCERさんオススメの本ということで、買う事に。

オークションでとても安く落札することができたので、ありがたく手元にあります。

そして今日読みましたが・・・


ザリガニの話で泣きそうになるなんて思いもしなかったー!!!!


という感想です。
解説の吉田さんの帯に書かれている言葉がとても印象的ですが、まさに自分もそうなるとは・・・。

モノレールねこの可愛さと、その後の微笑ましい偶然にはニヤリとさせられ、シンデレラのお城の結末は果たして幸せなのだろうかと考えさせられ、ポトスの樹のダメ親父っぷりが、なんとなく羨ましく思え(私の親父も相当なクソダメ親父だが、本作のダメ親父にはまだ理由があるし、なんとなく憎めないではないか!)、バルタン最期の日で深くにも目頭が熱くなってしまいました。


しかしザリガニが主人公の話が、未だかつてあったでしょうか。

犬や猫が語る物語ならあるし、財布が語るという宮部みゆきさんの作品も存在している。

でも、ザリガニ!
なぜにザリガニ!


・・・そう訝りながら読み始めたのに、最期にはもうダメでした。
なんで人の言葉を理解しているんだよ、ザリガニー!とかいう突っ込みは捨てましょう。

とてもとても良い話です。


最近心がすさんでいるせいか、どの話もじんと胸に響いてきました。
どの話も外れがないです。

とてもとても素晴らしい作品に出会えたと思いました!
オススメです!!