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埋み火

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老人世帯で連続する失火による火災。住人は、“不運な偶然が重なって”焼死。赤羽台出張所の若手消防士、大山雄大は出火原因に疑問を持ちはじめていた。「…これは、放火自殺なのか…?」閉塞した世の中を雄大が救う―




日明恩さんの本です。

鎮火報に続いてのシリーズ第二段。

ということで、結構期待して読んだのですが・・・。
3日くらいかかりました。

何だろう、分厚いは分厚いんだけど・・・なかなかページが進まなくて。

「鎮火報」は結構嫌いじゃなかったんだけどな。

キャラクター設定も申し分ないし、消防士の話ってあんまりないから、前作はなかなかテンポもあるし発見もあって楽しめたのだけど。。

何だろう。

今作は、ぶっちゃけ微妙でした。

前回でも散々言っていた消防士のエピソードがただ書かれているだけで、もう真新しさはなくて。
そして今作は、消防士の主人公でありながら消防士としての描写がとても少なかったことが原因でしょうか。

ならば消防士という設定にした意味はあるの?という感じで。

そして、前作では主要人物として登場していた引きこもりの守が意味深に出てこなくて、意味深に語られ続けているのに、最後の最後までそれを引っ張るから・・・もう良いよ!とツッコミたくなってしまう感じで。

そして、何よりも言いたいのは・・・

それはいれなくても良かったんじゃないですか?という描写が3分の1くらいをしめているという事でしょうか。

だから無駄にダラダラとしてテンポが悪く、読者を飽きさせてしまう。少なくとも私はそうでした。

主人公の雄大やその友達の裕二、いかした母親、雄大を見守る仁藤の存在―

キャラクター設定は絶対悪くないし、良い味を出しているのです。
ちょっと石田衣良さんの池袋ウエストゲートパークを彷彿とさせるくらい。

だけど、石田さんの作品と違うのは・・・そう、そのキャラクターを活かしきれていないことと、テンポが悪いという事。

IWGPは、短編でも中篇でもテンポが良いからすいすい読める。

この作品も議題としてはなかなか良いところをついているのだけど、それがどうも空回りしてしまっている気がしてしまいました。

でも、日明さんの作品、これで3冊目になりますが・・・嫌いではないのです。
他の作品にも挑戦してみたいと思います。

それにしても、この作家は女性なんですね!
写真を見て、イメージと違って可愛らしい感じの人だったのでびっくりしました。