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海を抱いたビー玉

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運転手の親子に愛されたことで「心」を持った瀬戸内海の小さな島のボンネットバスと、手にした者に勇気を与える不思議な青いビー玉が、時代を超え、運命に導かれながら旅をしていくファンタジー。旅は、懐かしい昭和40年代の瀬戸内海の島から、大震災に見舞われた山古志村へ…。少年と、バスと、少年の心を持った魅力的な大人たちが、「生きることの美しさ」を優しく語りかけてくれる、事実をもとに描いた奇跡と感動の物語。驚きのラストに、あなたもまちがいなく「幸せのため息」をつくことでしょう―




森沢明夫さんの本です。

森沢さんは、先日読んだ津軽百年食堂が思った以上に印象に残り感動した作品だったので、ならばこの本も!と思い、早速図書館で予約しました。

ああ、やっぱり良い!
森沢さんの文章は、どうしてこんなに優しいのでしょう。
森沢さんの描く物語には、「嫌なやつ」が一人も出てきません。

時々胸をぎゅっと痛める切ない話が盛り込まれてはいても、だけど全然不幸に満ちていない。
優しくて、愛が沢山溢れていて、そして安心して読んでいられるのです。

この話も、実際に取材をして実話を元に作ったお話なのだそうです。

昭和の時代から、平成に至るまでの長い長い年月。
スクラップ処理されてしまいそうな一台のバスを、大事に大事に再生させていく職人。

これだけの愛情をかけて物に接していたら、本当に物にも心が宿るのかもしれません。

この再生されたバスが、心を持って物語を進行していくというフィクションも織り交ぜられてはいますが、実在の人物も登場してくるので(巻末の開設を見ると、このバスの写真や職人さんの写真もある)、本当にバスが意思を持っているかと錯覚してしまいそうになります。


新潟の大震災に遭遇した二人の少年たちの、友情がとても良いです。


「思う、言う、成る」

人が何かを心で思い、思った事を言葉にして言う。それを言い続けれ入れば、いつかは現実に成ってしまう。

博物館の館長さんの言葉なのだそうです。
この物語を読んでいたら、本当にそんな気がしてくるから不思議。

写真で見る「ネコバス」がめちゃくちゃ可愛いです!!
会いに行きたくなりました♪