退出ゲーム

穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。化学部から盗まれた劇薬の行方を追う「結晶泥棒」、六面全部が白いルービックキューブの謎に迫る「クロスキューブ」、演劇部と吹奏学部の即興劇対決「退出ゲーム」など、高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。

---

初野晴さんの本です。

この前紀伊国屋をウロウロしていたときに、気になると思ってタイトルをメモしていたものの一つです。
すんなり図書館で借りることが出来たので、読んでみました。

うーん、これはミステリなのか？
と思う部分はあるのですが、嫌いではないです。

脱力系ツッコミの女の子の語りで進む物語は読みやすいですし、女の子がうらやましいと思うような外見を持つ頭脳明晰だけれど、何処か抜けている幼馴染のハルタも良い。

吹奏楽部のメンバーが、物語が一つ終わるごとに増えていくのですけれど、それぞれのキャラクターも個性豊かで面白い。

ただ、吹奏楽部にした意味があまりよく分からない・・・気がします。

それと、自分はミステリの謎解きが全然出来ない人間というのもあるのですが、若干ヒントが少ないのにいつのまにか登場人物が謎を解いて物語が完結してしまっているような、読者を置いてけぼりにしている感を感じたんですけれど、気のせいでしょうか。

短編ということもあるのでしょうが、もうちょっとじっくり書いてくれたらもっと幅が広がって面白そうと期待できる内容なだけにここは残念です。

「クロスキューブ」と「退出ゲーム」が好きです。

この本では、高校１年の物語となっていますが、続編もかけそうな終わりかたです。
期待しましょう。

関係ないのですが、ハルタってきくとどうしてもいくえみ綾さんの「潔く柔く」のハルタを思い浮かべてしまうのは仕方がないことでしょう（笑）？