No-music.No-life

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月光

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お姉ちゃんは殺された、同級生の男子に。偶然のバイク事故に見せかけて、殺されたんだ。美しくて、優しくて、心の真っ白な人だった。お姉ちゃんの死の真相は、あたしがはっきりさせる―。あとを追うように、姉と同じ都立高校を選んだ結花。だがそこには、覗いてはならない姉のおぞましい秘密が―。

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誉田哲也さんの本です。

うーん、何だか後味が悪くて納得いかない結末だったなあ。

幾つか、誉田さんの本を読むようになって思ったのですが、私はあまり誉田さんの描く人物像に共感できないというか、好感を覚えないなあと思いました。

武士道シックスティーンの二人みたいな感じは、とても好きなんですけどね。

今回の話や、前回読んだものはちょっと重めの話なのに、妙に楽観的というか明るいというか馬鹿っぽい若者像がどうも好きになれない。

大人も大人で、何か考え方がどうなのそれ?と思うような人物が多いし。。

今回の登場人物も、どうも嫌いだなあと思いながら読んだのもありますが、話的に何だか救いがないというか・・・・・・。

そもそも、学校でこんなことが起こったりしていたら、もっと誰かが気付いても不思議ではないのではないでしょうか?と思う部分も多くて。

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家族。
母と娘、兄と妹。

私にも家族はいますが、実は一番近くて遠い存在なのかもしれないとふと思いました。

小さい頃から一緒に過ごしてきて、知らないことなんて何もないような気がするけれど、実はお互いの兄妹の事を深く知らない。知らない部分の方が多い。

そういった意味で、死んだ姉の謎の死を追う妹が、姉の過去を探っていく過程で知りたくなかったことを知ってしまう衝撃や悲しみが伝わってきて切なくなった。

いくら兄妹でも、知らなくていいことだって、あるのかもしれませんね。

しかしこの話、ベートーヴェンの「月光」がモチーフになっている割には、この話にこの曲はそぐわない気がしてなりませんでした。
何となくこじつけてるような。。

そう言った意味でも、個人的にこの本は微妙でした。