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刺青(タトゥー)白書

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女子大生・三浦鈴女は、殺害された人気アイドル・神崎あやが中学時代の同級生であったことに衝撃を覚える。傷だらけの状態で発見されたあやには、刺青を消した痕があった。続いて、別の同級生が隅田川で水死体として発見される。彼女にもあやと同じ場所に、同じ刺青があった。2人の右肩にあった小さな薔薇の刺青。刺青同様に2人の同級生が消したかった過去とは何か。あやの事件の記事を依頼された柚木草平は、鈴女たちの中学時代に事件の発端があるとみて関連性を調べ始めた―

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樋口有介さんの柚木草平シリーズ、(確か)第五弾です。

今回は、このシリーズで初の三人称での話の進め方でした。
が、これがとても読みやすいし、面白かったんです!

樋口さんは三人称の物語展開の方がいいような・・。

今まで柚木がどういう風貌をしているのか、また、柚木以外の視点から見た人物像や動きが全く分からないという一人称での難点があり、柚木目線でもなかなか面白いのは面白かったのですが、今回三人称という形で物語を読み進めてみると、驚く程読みやすく、また感情移入が出来たことに驚かされました。


探偵・柚木、刑事・山川、死亡者の同級生・鈴女、殺される側の人物など様々な視点で物語の真髄に迫っていく書き方は、ぐいぐい読み手である私を引きこんで行きました。

特に鈴女と左近との微妙な関係は微笑ましく、また犯人ではないのか?と思われる人物が沢山登場してきて、そして犯人がまさかあの人だったのか・・と、相変わらず犯人を悟る事が出来ない私でありました。

個人的に、このシリーズの中で一番読みやすくて面白かったです。

今は次の夢の終わりとそのつづきを読んでおります。