ある日、少年の頭上でボールが割れた。強い“意志”の力に守られた少年の謎を探るうち、テレパス七瀬は、いつしか少年を愛していた。
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筒井康隆さんの本です。
七瀬シリーズ完結編。
面白かったな、シリーズを重ねるごとにどんどん物語に引き込まれていくこの感じ!
それにしても。今作は最大のSF的要素盛りだくさんでしたね。
前回死んでしまったと思われた七瀬が、生きていたという事にまず驚かされたのだけれど、あれだけの体験をしておきながら、過去の話題が一切出ないのは何故なのだろう。
そう思いながら今回も新たな事件が勃発し、いつの間にかその疑問は忘れてしまっている―
しかし、結末が近付くにつれ、そして七瀬が現在の状況に不審点を抱き始めるにつれて・・・だんだんと読者にも「あれ?まさか・・もしかして・・」という疑惑を持たざるを得なくなる。
それなので、あの結末には「うそ!その展開ってあり?!」という声をあげそうになりながら、真実は一体どこにあるのだろうと、七瀬同様に混乱した思いを抱きながら読み終えることになったのでした。