ボクさんは四十代独身のアパート大家。少しとろいけれど、ご近所や店子の皆に愛されて幸福に暮らしている。ある日、入居者の女が殺された。屋根の修理で梯子に上り、窓から死体を発見したボクさんは地面に落下。病院で目覚めると、アパートの住人全員が失踪していた。やがて彼は、自分を取り巻くものが善意だけではなかったことを知る。ひとは、何を以て幸福になるのか。「知る」ことの哀しみが胸に迫る書き下ろし長篇。渾身のミステリー。
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ぼくと、ぼくらの夏の樋口有介さんの本です。
今作は、主人公が少し「頭の足りない」四十代の男性ということで、なかなか感情移入するのは難しかったのですが。
おっとりとして、心優しいボクさんが、屋根の修理の為に梯子に上った時―住人の死体を発見し、そのまま地面に転落してしまう。
目が覚めた時には、知能が元通りになっていた。
そして、アパートの住人が全員失踪。
一体犯人は誰なのか―
一体犯人は誰なのか―
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ちょっとしたほのぼの系の話かと思わせて、やはり樋口さんです。
ミステリ風な展開に、だんだんとひきつけられていきました。
しかしまさかラストでこうくるとは・・!
今作は、初めて読んだ「ぼくと、ぼくらの夏」程ではなかったのですが、樋口さんの文章は結構好きです。
他にも読んでみたいと思いました。
他にも読んでみたいと思いました。