「あいつだ。俺、思い出した」 「誰か」の自殺を止めるための「名前探し」も大詰めに。容疑者を見守る緊迫感、友だちと過ごす幸福感の両方に満ちたやさしい時間が過ぎ、ついに終業式の日がやってくる−。
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辻村深月さんの名前探しの放課後の再読です。
辻村さんの本は、ほとんどが上下巻になっているものが多いけれど、下巻からの一気に物語が展開していく感じとか、大どんでん返しが凄く好きです。
上巻だけを読んだ人の感想だと、あまり良い事を聞かないのですが(設定がとても細かいので、読んでいて飽きちゃうとか、ダラダラしてるとか)、そういう人には私は絶対力説するのです。
と(笑)
今作は、自殺してしまう「誰か」が確定し、Xデーまでの友達との連帯感とか、感動が描かれていて、物語は終盤にさしかかります。
それはそれで、とてもよい話の結末なので少し涙も出そうになるところなのですが(河野と皆とのやりとりが特に)。
そこではまだ終わらないのです。
実はこの話にはちゃんと真実があって、今までその自殺してしまう「誰か」本人をも騙して彼らはずっと入念な準備を進めていたわけですね。
それにしても、やはり河野君が凄すぎる。
彼は鉄道の旅のためなら、完璧に何でもやるんだなあと(笑)
彼は鉄道の旅のためなら、完璧に何でもやるんだなあと(笑)
そして、今までの辻村作品を読んできた人には、秀人と椿ちゃんの件で「うおー!」と雄たけびを上げたくなることでしょう。
一度読んでいるので、二度目は細部の描写に「ああ!これがそうだったのか!」と頷きながら読んだりと再発見をしてとても面白く読めました。
しかし、何故だろう・・
今までの話の主人公は皆好きだったのだけど、この依田いつか君はどうも好きになれない。
軽い感じだからかな。
軽い感じだからかな。
個人的に天木君は好きですが(笑)