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ぼくのメジャースプーン(再読)

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忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは。

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辻村深月さんの本です。

先日、古本で購入したものです。
オークションでゲットした名前探しの放課後を再読する前に、もう一度読んでおきたい!と思っていたので、ようやく読めて嬉しいです。

一度読んだものなのに、もう一回読むとまた違いますね。
それに、名前探し~に繋がる付箋がちらほらと見つけられて嬉しかったり。

先日再読した子どもたちは夜と遊ぶに出てきた、月子・恭司・秋先生が出てくるのも嬉しい所です。また、秋先生がマキちゃんの元彼に囁いた言葉が、ここでようやくはっきりとするのも見ものです。

あれから2年後という設定のようですが、恭司は就職をしているし、月子も無事に先生になっている模様。月子が以前とほとんど変わらない様子で話しているのを見ると、記憶が戻ったのか・・それとも戻らないけれども、以前と同じように自分を取り戻したのか・・

色々な想像が出来るのもまた楽しいです。

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人間を殺す事と、動物を殺す事だったら、どっちが悪いのか。

どちらも悪い。
いや、人間を殺した方が悪いだろう。

色々な意見はあると思いますが、動物を殺した方が悪いと思う人は、驚く程少ないのではないでしょうか?

動物を殺したのに、「器物損壊」の罪。
うさぎだけじゃなくて、人間の心も壊したというのに。

世の中の矛盾。
執行猶予3年、実刑には問われず・・数年後、いとも簡単に社会復帰を果たす・・

やりきれません。
そうしてまた、同じように動物を殺すのではないでしょうか。

人間じゃないからいいのか。
違うだろう?

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うさぎ殺しという残虐な事件に遭遇してしまったふみちゃん。

そのショックから、声を失ったように何も話さなくなり、目は焦点を結ぶ事がない。

そんなふみちゃんの友達であるぼくは、犯人にある「力」を使おうと秋先生の元へと通うようになる・・

犯人の、まるで反省していない様が後半に描かれているのですが、憤りを感じてなりません。
それでも、ふみちゃんとぼくの関係は、本当に温かくて泣けてきます。

これが「名前探しの~」に繋がり、更に微笑ましい気持ちになるのですが、それはまた後程。