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やさしいため息

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社会人5年目で友人なし。恋人は3ヶ月前に出て行ったばかり。そんな私の前に、行方知れずの弟と緑くんが現れて…。

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青山七恵さんの新刊です。

ああ、私はこの人の書く物語が好きだなあと再確認させられた一冊でした。
なんてことはない、OLの日常を描いているだけなんですよ?
それなのに、職場での付き合いとか、人間関係とか、些細な事からちょっとした描写の一つ一つが、OLをしている私にとっては、とても嬉しく思ってしまいます。

多分、実際事務仕事をしていない人が書いたらもっと雑な描写、またはそんな細かな描写自体がないだろうと思うのです。

例えば、付箋をはがしてくずかごに捨てるというただそれだけの描写が上手いんですよ。
それは読んでみてのお楽しみですけどね!

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社内での煩わしい人間関係、適度な距離感、言い訳を作って避け続けている飲み会・・
そんな何も起こらない毎日を過ごす主人公の前に、突然連絡の取れない状態だった弟が現われる。

その弟が記録している「姉の日記」

姉である主人公の日常を毎日聞いて、それを弟がノートに記していく。
弟に見栄を張り、ありもしない嘘の毎日で彩られたノートと、弟の友人の緑君との出会いをきっかけに動き出す現実―

なんてことはない日々を、こんな風に小説で書けたらいいな。
と思える作家さんです。

島本理生さん好きにはきっと気に入っていただけるかと。

そして、青山さんは私と同い年でした。

これで今年100冊目。今度は正真正銘の100冊目です(笑)