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仏果を得ず

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"好き"が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。文楽に賭ける若手大夫の熱い青春。

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三浦しをんさんの本です。

確か以前に王様のブランチで特集していた記憶があるのですが、最初文楽って何ぞや?という疑問を持ったところから始まり、その特集の中で確か・・実際の文楽の稽古をしているところに行く、みたいな事をやっていた気がするんですが。

人形浄瑠璃、というか日本の伝統芸能の人形劇ということらしいですが・・

やっぱり普通の人間には馴染みのないものであり、観る機会なんてほとんどないでしょう。
そんな文楽の世界にどっぷりとつかってしまった主人公・若手大夫の健の文楽に染まった毎日が描かれているという感じなんですが・・

まあ三浦さんですし、キャラクターにはそれぞれとても個性と魅力があるわけです。

絶対途中で挫折するかも・・?と思っていたけれど、何とか読めましたし。

ただ・・
何ていうか、最後まで私は文楽の事をほとんど理解出来ないままだったなあという事に気付いたのでした。

何篇かに分かれて構成されているのですが、最初のころの話の中に文楽についての細かな説明がないので、中盤になってようやく「ああ、こういう感じかな?」と思い描く事になるというか。
しかもその描いたものにいたっても、完全なものではなくて、想像の域。
多分、ほとんどが文楽に馴染みのない読者だと思うのですが、このへんはもうちょっと詳細に描写や説明を書いて欲しかったなあと思うのは私の理解力がないせいなのでしょうか?

主人公の文楽にかける情熱、人間国宝と讃えられる師匠のユルキャラも良いし、脇を固める役者陣の個性も生き生きと描いている・・

なのに、何か肝心な部分の描写が少なくて、最後まで何だか文楽の世界に片足突っ込んだだけで終わってしまった感が残念です。

元々読解力のない私ですが・・読まれた方は、ちゃんと理解している人が多いのかなあ・・