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模倣犯(一)

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墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった―

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宮部みゆきさんの本です。
映画化もされ、話題になった作品ですよね。
会社の先輩から頂きましたよ、全5巻!
しかも1冊で400P以上のボリュームと重みに圧倒されながら、読み始めてみましたら・・ああ、凄いな。やっぱり凄いよ、宮部さん。

冒頭から、何かが起こってしまうのだという予感がむんむんする。
そして、ぐいぐいと引っ張られる物語の世界。


両親と妹を殺された男子高校生が、公園のゴミ箱に捨てられていた女性の右腕の第一発見者になったこと。
その右腕が、もしかしたら失踪した孫娘・鞠子のものなのではないか?という不安を持つ祖父。
以前失踪した女性達のルポルタージュを書こうと、鞠子の件を追っていたフリーライターの女性。

事件を追う警察の心情、全てをあざ笑うかのような手口の犯人。

様々な人々の視点から、一つの事件が語られていく。


まず、高校生側の両親と妹を殺された事件についても何かがありそうな予感がひしひしとしているわけです。
この運命を背負ってしまった高校生は、本当に偶然で第一発見者になったのか?というところにまで疑惑が浮かんでしまったり。

そして、一番強いのは、鞠子の祖父じゃないかと思います。
犯人に気に入られた?らしい祖父の元に、何度となくかかってくる犯人からの電話。

犯人は単独犯?複数犯?
目的は?

犯人の手がかりがほとんどつかめないまま、事件は意外な形で収束を迎えたかのように思えたのだが・・


この1巻を読み終えて、「いや、まだこのままでは終わらないな、この事件は」という嫌な予感がどんどん湧き上がってくるのが凄いと思うのです。

まあそれは、勿論あと4巻分もあるのだから当たり前だといわれてしまえばそれまでなのですが。
しかし、この事件の真相と男子高校生の過去の事件だとか、色々なものが絡まりあって、最後は一体どうなってしまうのか?というのが怖いようであり、しかし続きが気になって仕方ありません。

ボリュームはあるけど、ぐいぐい引き込まれて読める感じだったので、意外とさくさく読み切れてしまうかもしれない?

ともあれ、次は2巻です。