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幻色江戸ごよみ

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盆市で大工が拾った迷子の男の子。迷子札を頼りに家を訪ねると、父親は火事ですでに亡く、そこにいた子は母と共に行方知れずだが、迷子の子とは違うという…(「まひごのしるべ」)。不器量で大女のお信が、評判の美男子に見そめられた。その理由とは、あら恐ろしや…(「器量のぞみ」)。下町の人情と怪異を四季折々にたどる12編―

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宮部みゆきさんの本です。

恥ずかしながら・・初宮部さんでした。
るいちゃんに色々お薦めを聞いていたのに、何故か初作品がこれです。

これには深い訳がありまして。
先日、久々に前の会社で仲良くしていただいていた方と会いまして。
私は2月末に誕生日だったじゃないですか。
それなのに、プレゼントを用意していないと。

という訳で、妹からもらった本を自分は読まないから良かったらもらってくれということで沢山もらったんですよ。

ところが!
・・何故かほぼ、時代小説尽くし(笑)

例外は、バトル・ロワイヤルだけだったのですが、実はこの本は既に持っているし(笑)
でも、その中に宮部さんの本があって。時代小説は実は物凄く苦手分野(一番は、外国を舞台にしたやつとか、日本人じゃない主人公の本とかが苦手なんですが、二番位に時代小説は苦手です)なのですが・・宮部さん、読んでみようじゃないのっていう訳で、読んでみました。

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ああ、さすが有名な作家だけあるなという感じがしました。

最近は畠中恵さんのしゃばけシリーズを読んでいたりで、江戸モノ続きだったので、あと以前あさのあつこさんの江戸モノの本を読んだりして、頭が混乱してたりしてたんですよ。
どうも、全部同じ世界の話のように混合してしまってたというか。

が・・宮部さんは、違っていました。
それぞれ、江戸の人々を描いた短編なのですが・・凄い。
その話の展開もそうだし、貧乏人がいかに苦労するか、江戸の情勢との絡め方だとか。
哀愁漂う話、切ない話、泣ける話、怖さを感じるような話・・とそれぞれ多彩な物語が詰まっていて、最後の最後まで飽きませんでした。

短編なので、時代小説に抵抗のある私のような人間にもちょっとずつ読ませてくれるというか。

それにしても・・貧乏というのは、今も昔も大して立場は変わらないんだろうな。
個人的に貧乏人が主人公の話に感情移入してしまいました(というか、ほとんど貧しい家庭の話が多いんだけど)。

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(特に印象に残った二編)

江戸の情勢で、贅沢品の売買が禁止されている中、仕事がほとんどなくなってしまった貧しい職人の元にとある武士が尋ねてくる。
娘のために、かんざしを作って欲しいという。
見つかったら大変なことになると、最初は渋っていた男だったが結局仕事を引き受ける事に。

しかし・・

紅の玉

高利貸しを営む井筒屋に3年間奉公し続けてきた女。
わがままで悪い噂の耐えない主人夫婦に尽くし、働き者と称されてきた女が屋根の上によじ登り、紙吹雪を降らせた。
その理由とは・・

紙吹雪

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さて、大量の時代小説が待っております。
今は図書館で借りてた博士の愛した数式(←今更ですが)を読んでいますが、その後は時代小説週間になりそうです。
辛いかも(苦笑)