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冷たい校舎の時は止まる<下>

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彼らは思い出せない。どうしても"その名"を思い出すことができない。学園祭最終日、学校の屋上から飛び降りて死んでしまった級友は誰だったのか。緊張と不安に包まれ次々と仲間が消える中、抵抗も空しく時計は進んでいく。そして不気味に鳴り響くチャイムとともにまた一人、誰かが消える。彼らを校舎に閉じ込め漆黒の恐怖に陥れている『ホスト』の正体がついに明らかに-

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辻村深月さんの冷たい校舎~シリーズもいよいよ下巻。

もう3巻目ですから、すっかり物語にはまってました。
8人いた仲間達は、いよいよ残り4人まで減り・・最後に残ったのはたったの2人。

この世界に引き寄せたのは、一体誰なのか?

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と、ようやくその「正体」が分かった所で、「やっぱり」という思いと、単純に「自殺者=この世界のホスト」と思っていた自分の考えが真っ向から打ち砕かれたような衝撃でした。

ああっ!そうなのか・・!

という気持ち。

そして、物語の随所随所でキーパーソンとなるであろう如く名前が出てきていた彼らの担任教師「榊」がここで繋がるのか、ということ。

そして、「菅原」と「榊」、「榊」の過去の思い出と「鷹野」と「深月」がようやく一つの線で繋がった時に、あまりにも爽快な気持ちになって笑い出したくなるような感覚でした。


何冊か辻村さんの本を読んできて、彼女が描く物語のほんの些細なエピソードにも、必ずラストに繋がるヒントがちりばめられているのだ、と分かっていたはずなのに。

最後の最後までわからないまま読んでいました。

これは、「ホスト」が誰なのかがわかった今だからこそ、再読する価値のある物語だと本気で思います。


それにしても・・デビュー作でこんな作品が書けちゃう辻村さん・・これが才能というやつですね。

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あと残るは最新刊名前探しの放課後(上)(下)のみ。

読み終わっちゃうのが勿体ないので、最後に読もう。

明日はアンソロジー本から始まる物語を読みます。