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宇宙でいちばんあかるい屋根

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中学生とおかしな老女、闇夜の屋上で永遠の物語がギクシャクとうごきだした!―絶妙な会話、胸いっぱいに宇宙が広がるラストへ。小説すばる新人賞受賞作家の感動作。

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野中ともそさんの本です。

名前だけはちらっと聞いたことのある作家さんだったけれど、読んだのはこれが初めてでした。

最近読んだ本がどれも微妙だったので、久しぶりに「良かった」と思えた本でした。
これは、児童書の枠に入るのかな?

とても読みやすくて、それでいて優しい気持ちになれるような話でした。

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中学生のつばめは、ある時習字教室のあるビルの屋上で、不思議な老女「星ばあ」と出会う。

奇抜な服装、デカイ態度、物怖じしない性格の持ち主である星ばあは、つばめに対して容赦なく言葉を吐く。

最初は敬遠していたはずのつばめは、いつしか少しずつこの不思議な「星ばあ」と心を通わせて行くようになる。

空が飛べると信じていたつばめ、空が飛べるという星ばあ。

奇妙な出会いは、つばめにとって少しずつ変化するきっかけとなっていく。


大好きな幼馴染、亨君との近いようで遠い、微妙な距離。
学校の友達との関係。
義理の母と、父との穏やかな家族。
星ばあが合いたがっているのに会えずにいる孫の「まこと」。


最後の別れが唐突で寂しいけれど、それでも確かな希望を読み手に残してくれる柔らかな話でした。

久々に心が洗われたような気がします。