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ゆれる

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東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟。だがふたりは互いを尊敬していた。あの事件が起こるまでは…。2006年7月公開映画を、監督自らが小説化。

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西川美和さんの本です。

映画で何かの賞を取りましたよね、このゆれる

オダギリジョーが主演だっていう記憶はあるのです。
結構気になっていた映画だったのですが、何となくみはぐってしまっていて。

図書館にずっと置いてあるのが気になっていて、借りてみました。

そして、単純に物語に引き込まれました。
面白かったです。

監督が小説化したっていうから、もっと淡々と書かれているのかと思ってなめてました。
いやはや・・面白かった。

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自分のやりたいことを貫き通し、家を継ぐことなく東京に出た弟・猛。
カメラマンとして成功し、母の葬儀にも出席しなかった弟が兄・稔の説得で久しぶりに実家に戻ってきた。

兄は誰にも抗うことなく、温厚で人柄も厚く信頼されている。
実家のガソリンスタンドを継いでいる。

兄には好きな人がいる。
幼馴染として、そして今は同じガソリンスタンドで働く智恵子だ。
智恵子はこのまま稔と結婚するという筋書きを受け入れようとしていたが、逃げられなくなるという不安にも悩まされていた。

実は智恵子は猛と高校時代に付き合ったことがあり、久しぶりに帰ってきた猛と智恵子は体を重ねている。

突然兄が渓谷へ行こうと猛と智恵子を誘う。


つり橋を渡る時、平衡感覚のない稔は躊躇する。
そんな稔を振り切るようにつり橋を渡ろうとする智恵子。

危ないと肩に手をやった稔に、智恵子が放った言葉-

「もうやめてよ!さわらないでよ!」


稔は智恵子を突き飛ばし、その場に居合わせていなかった猛が見た時には、既に智恵子は川底へと落下した後であった。


事故なのか、それとも稔が殺したのか・・


その様子を見ていた猛は、稔に自分の思い通りの供述をさせようとする。

事故だった、と一度はまとまるはずの話は、稔の自供により裁判へと発展していく。


温厚だった兄の、本音。
弟が守ろうとしたものは・・

そして、兄の殺人罪は晴れるかと思われたのだが・・・・

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兄と弟の確執、ですかね。

温厚で言葉を荒げることのなかった兄の、本音を見た時は何だか少し怖い気がしました。
けれど・・自由奔放に生きてきた弟以上に損をすることが多かった兄。

人間らしいといえばらしいのですが、裁判で弟が最終的に兄を裏切るのには驚きました。


映画、観たいですね。
ますます気になります。