どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。八方ふさがりに見える二人は、周りの喧噪をよそに、さらに追い込まれていく。ところが、冬のある夜、通天閣を舞台に起こった大騒動が二人の運命を変えることに…。
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西加奈子さんの本です。
今年142冊目。
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最初に読み始めた時「ああ、これは・・読みきれないかも・・」と絶望的な気持ちになったのですが、中盤からようやく物語に感情移入が出来たようで・・何とか読み終えました。
基本的に主人公が男性で、それでいて年齢が自分と離れているとかだとすぐに物語の中に入り込めないという自分の弱点があって・・
まさにそんなタイプの話でした。
まさにそんなタイプの話でした。
この話は、40歳代の男性の主人公と、20代なのかな?若い女がそれぞれ語るというスタイルなのですが、最初はこの女の主人公の方に感情移入していって、何とか読めるかな・・と思っていたのです。
しかし、中盤から逆に男性の主人公に感情移入している自分がいて。
世間に冷めているようなのに、本当は熱い男なんだなあっていう。何ていうか不器用さが何だか分からないけれど親近感沸いちゃうような。
で、別々に語られているように見える男女なのだけれど・・
ああ、この二人・・もしや・・
ああ、この二人・・もしや・・
って思っていると、まさにその通りで。
っていうような、繋がりが見えてきます。
結局一体何を伝えたかったんだこの話は!
と思いつつ、何となく人生を諦めつつあった二人が少しでも前向きに考えるようになっているラストは少し救われました。
それにしても・・西さんは女の描写が遠慮ないね!
ゲロとかやたら出てくるし(笑)
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