社会科教師のおでこのテカリ占いをしては大受けしていた陽気でマシンガンな中学時代からクールで一目置かれる弓道部員の高校時代を経て、大学生になった私がしたことは、恋をすることだった。遠くの的を見抜く力のおかげで視力が2.0以上になっていた私はその年の秋、キャンバスで遥か遠くから歩いてくる同じ学年の男の子に「今度は的じゃなくて、別のものを射抜くことにしたんです。例えば男子とか」と笑いかけていた。怖いくらい、好きになる。それでもいいと思った-
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中村航さんの本です。
今週は中村さん週間ってことで(笑)
うん、良いね。
中村さんは、あれだね。恋愛モノでいった方がいいと思う。
中村さんは、あれだね。恋愛モノでいった方がいいと思う。
何でこんなに愛らしい女の子キャラをかけるんだろうなあ・・同性の私でも、なかなかこういうのかけないと思うんですよ。
読んでいて、「ああ、こういう女の子になりたい」って思えるから凄い。
その一~その五までのくくりがあって、その二に関してはアンソロジーに収録されていたもので、一度読んだことがありました。
恋愛アンソロジーなのに、恋愛を中心に書いていない感じの話で・・あまり好きになれなかったのですが・・一、二は彼氏目線。三、四は彼女目線、五は彼氏の友達の話・・という訳で、全体的に読むとなかなか良かったです。
彼氏サイドと彼女サイドで、同じ場面が違う語り手で語られている部分があって、ああこのときはこんな風に思っていたのか・・と納得したり。
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お互いに好きになりすぎて、大事な課題の提出を忘れてしまったり、勉強がそっちのけになってしまったり・・そんな付き合い方はもう嫌だ、けれど好きなのだ・・という彼女の言葉に、「全部決めちゃえばいいんだ」と彼氏の提案。
何時に何曜日に、電話をして週末には一日だけデートをする。
決められた時間、決められた曜日。
普通だったらきっと窮屈なだけであろう、その制約は変更することも可能なのだ。
そのせいか、お互いとても上手く付き合っていた。
不思議な、だけど心優しくなる話でございました。
難点をしいていうなら、オチがないってことでしょうか(笑)