バッテリーＶＩ ＜文庫版＞

「おれはピッチャーです。だから、誰にも負けません」いよいよ、巧たち新田東中は、強豪・横手二中との再試合の日を迎えようとしていた。試合を前に、両校それぞれの思いが揺れる。巧と豪を案じる海音寺、天才の門脇に対する感情をもてあます瑞垣、ひたすら巧を求める門脇。そして、巧と豪のバッテリーが選んだ道とは。いずれは…、だけどその時まで―巧、次の一球をここへ。大人気シリーズ、感動の完結巻。

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あさのあつこさん、バッテリーシリーズ最終巻です。

とうとう最終巻ですよ！
あぁ、終わってしまったという感じ。

でも、凄く面白かった！

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３年生の卒業、そしてその後に控える横手二中との対決に向けて繰り広げられる人間模様。

巧と豪のバッテリー。

巧の少しずつだけれど変化していく人間性と、どんどん強く強靭になっていく豪。
ぎこちなくなっていたバッテリーは、いつしか完璧な球を投げ、受け止めあうものへと変わっていく。

そして、その試合までの間巧と豪のバッテリーを監督から託された元キャプテン海音寺。

海音寺は今のままでは門脇に勝てないと感じていた。
巧には、豪以外のキャッチャーでも球を投げることが出来るのか？
豪は、巧以外のピッチャーにも本気で向き合う事が出来るのか？

このままお互いに寄りかかったままのバッテリーでは、到底横手に勝つことなど出来ないのではないか？
不安と、自分が育ててみたいという欲。

巧の球を打つため、ただそれだけのためにひたすら練習に打ち込んできた門脇。
そして、巧の挑発に本気で怒りを露にした瑞垣。

・・とうとう、横手との試合の日がやってきた。
そして－

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肝心の試合の結果は、この６巻では語られません。

門脇が勝ったのか？それとも巧が勝ったのか？

その後の話は、続編ラスト・イニングで語られています。

もう一度読み直してみて思ったけど、野球っていいですね。

私、プロ野球は嫌いなんですけど、甲子園は大好きなんです。
ひと夏の青春って感じで、勝っても負けても確かにそこに、ドラマがあるじゃないですか。

何かそういう気持ちを思い起こさせてくれましたね。

それに、自己中だった原田巧という少年が、この６巻では大分丸くなり、仲間に囲まれ、自分以外のことも考えるようになり、惑いながらも成長していく様が描かれているのがとても嬉しい。

いつしか物語の中にぐいぐい引き込まれていって、何だかとっても嬉しくなるこの感じ。

最高の小説です。

そして、この世界観を見事に表現している映画版・バッテリーには脱帽。

小説をじっくり読んだ後でも、（確かに結構カットされている本編内容はあるけれど）ちゃんとあの映像とリンクさせて物語を感じられました。

ＤＶＤには、あさのさん書き下ろしのバッテリーの短編がついているので、そちらもぜひ。