藤崎可南子は就職活動中。希望は出版社、漫画雑誌の編集者だ。ところがいざ活動を始めてみると、思いもよらないことばかり。「平服で」との案内に従って豹柄ブーツで説明会に出かけると、周りはマニュアル通りのリクルートスーツを着た輩ばかりだし、面接官は「あーあ、女子はこれだからなー」と、セクハラまがいのやる気なし発言。これが会社?これが世間てもの?こんな下らないことが常識なわけ?悩める可南子の家庭では、また別の悶着が…。格闘する青春の日々を、斬新な感性と妄想力で描く、新世代の新人作家、鮮烈なデビュー作。
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いやはや・・若かったんだなあ、三浦さん。
なにやら自身の就職活動経験を元に書いたんだそうです。
それにしたって・・転職活動で何十社も受けた私から言わせれば・・平服と言われて豹柄ブーツで面接に行っちゃう主人公が凄すぎるよ。
それにしたって・・転職活動で何十社も受けた私から言わせれば・・平服と言われて豹柄ブーツで面接に行っちゃう主人公が凄すぎるよ。
大学生の就職活動は、経験したことがないので分からないけれど、この主人公を始め周囲の人々のこののらりくらりの活動っぷりはどうだろう。
しかも数社しか受けてないのに、「就職に向いていないかも・・」とか言って諦めちゃうのが、最近の若者なのか??
じゃあ私はナンなんですか?
なんて思っちゃった自分は、現実的なのかなあ。
なんて思っちゃった自分は、現実的なのかなあ。
ただ、その平服でっていうエピソードには、私も似たような経験があって、リクルートエージェントに登録する時に、地下鉄に乗ってはるばる都内のリクルートエージェントのオフィスビルに登録&説明会に行った訳なのですが、めちゃくちゃ普通の私服(奇抜ではない)で一人で行っちゃった私はかなり浮いてましたよ。
あれと一緒かもな。
それ以来スーツが無難と考えを改めて、会社関係は絶対スーツで行くようになりましたが。
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コートは黒じゃなくて、可愛いコートで、バッグは手持ちに黒がなくて白で・・っていうのがいけなかったのか、その格好をしている時はほとんど受からなかったんだよな。
で、バッグを黒にしたら星回りが良くなったというか。
あと、面接の時にストッキングだけじゃ冬場は寒くて靴下を履いてたんだけど、あれも駄目なのか良いのか分からなくて脱いだりしてて、めちゃくちゃ寒かったのを覚えています。
で、夏は夏で、シャツだけでいいのかわからなくて暑い思いをしてスーツをきっちり着ちゃったりさ。
そんなこんなで、転職活動中の苦い思い出が一杯浮かんできたのでありました。
ほんと面接官は、たまにいい人もいるけど、話が弾むだけじゃ受かるわけでもないし、威圧的な面接もあるし、絶対落ちた!と思ったものが、意外と好印象だったり・・不思議なものですよね。
この話は、一人称で語られているのもあるけれど、とにかく軽い語り口調なのが今の三浦さんからは想像も出来ないかも。
直木賞作家の、始めの一歩は、こんな物語だったんだなあと偉く感心したのでありました。
個人的に、確かに読みやすく一日で読み終わったし、就職活動の矛盾とか憤りとか「分かる分かる」とは思えたのだけれど、家のゴタゴタとか、あれは別にいれなくても良かったのでは?と思ったり。
単なるおまけのような設定にも思えたりしました。
単なるおまけのような設定にも思えたりしました。
まあ、興味を持たれたら読んでみるのもいいかもしれません。
タイトルが意味深だけれど、その理由は話の中に意外な形で答えが載っていますので。