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三浦しをんさんの本です。
今回で三作目。
前回の月魚が微妙だったので、あまり期待をせずに読んだ今作。
読みやすかったし、割と楽しめましたけどね。
読みやすかったし、割と楽しめましたけどね。
今までのものと違って感じたのは、一人称で物語が展開していたせいだろうか?
そもそも、今回のそのどれもが今までのちょっと大人びた若者とは違っていて、少しちゃらんぽらん(?)した大人だったり、楽観的な高校生であったり、大人っぽく見せようとしている、という感じの学生が主人公だったりしたので、驚きました。
まだ三作目なので、ここで違和感を覚えるのも変な話ですけどね。
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ラブレス (かぐや姫) ロケットの思い出 (花咲か爺) ディスタンス (天女の羽衣) 入江は緑 (浦島太郎) たどりつくまで (鉢かつぎ) 花 (猿婿入り) 懐かしき川べりの町の物語せよ (桃太郎)
この作品は、昔話をモチーフに描かれている短編です。
でも、実際これの何処がこの話なの?という内容も結構あったりして、あまり昔話は関係ないなあと思うものの方が多かったりします。
一話、二話目では気付かなかったのですが・・
少しだけ話同士が繋がっていたり、密やかに関連性を持たせる形で描かれているのが面白かったです。
少しだけ話同士が繋がっていたり、密やかに関連性を持たせる形で描かれているのが面白かったです。
何やら、あと三ヶ月で隕石が地球に衝突するという事実は全編共通の話らしいのですが、ん?何かこれって・・
伊坂幸太郎さんの『終末のフール』?
という印象を受けたのは私だけでしょうか?
そして、ロケットの思い出の主人公に至っては、大きな失敗をしたことのない、良心的?な空き巣であったり、これって何か何処かで読んだような話だなあと思ってしまったりしました。
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でも、この物語の中では抽選で選ばれた人、社会に貢献するであろう研究者、子供を生む事が出来るであろう若い女性を優先的にロケットに乗せ、宇宙に避難するという話があるのだ。
そのロケットに乗ることが出来た、選ばれし者、生き残った者があるときは思い出を語るように、懺悔をするように昔話として隕石が衝突する前の出来事を語る、という話。
突拍子もないのだけれど、それぞれの主人公がいい味を出しています。
ただ、物語全体としてもっと他にないようなアイデアで地球が滅びるという事を描けていたらもっと良かったかもなあ。
まあ先に伊坂さんの本を読んでしまったのが間が悪かったのかもしれないけれど。
興味があったら、そちらと読み比べてみるのも良いかもしれませんね。