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図書館の神様

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思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに"私"は文芸部の顧問になった。…「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!…清く正しくまっすぐな青春を送ってきた"私"には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。

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瀬尾まいこさんの本です。

エッセイの中に書かれていた話の中で、この物語の元になる出来事があったので・・何となく「これがこういう話になったのかあ」と納得しながら読めたので、より楽しめました。

まあ、今回はほろりとするとか、劇的に何かが起こるとか・・そういう類ではないです。

毎度ながら、少し現実に冷め気味の学校の講師である22歳の清が、ひょんなことから部員がたった一人の文芸部の顧問になったことから、少しずつ変わっていく日常や気持ちを描いております。

何が起こるわけでは、本当にありません。

昔から、真っ直ぐ真面目に生きてきて、色々な食べ物にアレルギーを持っていて、すぐに体調を崩す子供だった清は、学生時代を「バレー」一筋で過ごしてきた。

周りがダラダラと練習している様を見ては許せず、キツイ事も言ってきた。

あるとき、部員の一人にキツイ言葉を投げかけてしまった翌日、その部員が自殺をしてしまう。

直接殺したわけではない・・それでも、周囲は皆、清のせいだという目で見ている。

いつしかバレーからも離れていき、真面目に真っ直ぐ生きてきた人生にも少しずつ変化が訪れる。


都会から、地方の大学に進学し、もしかしたらバレー部の顧問という形でまたバレーに携われるかもしれない、とただそれだけの理由で講師となった。

しかし、予想外にも顧問を任されたのは・・3年生の部員がたった一人で活動する文芸部だった。。


妻のいる男と付き合うという切なさ、彼女よりも誰よりも姉である清を優先してくれる弟、同僚の先生、退屈だった授業・・

少しずつ、変わり始める日常。

図書館で黙々と文学に勤しむ部員の垣内君。
全く興味のなかった文学に、いつしか少しずつ魅力を見出せるようになっていき・・

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温かい話ですね。

こんなやる気のない先生でいいのか?と思うのですが。

講師って何なんだろう?と思ったら、一年のみで契約切れするような宙ぶらりんな状態の先生?だったのか。

高校の時、化学の先生で自分好みだった23歳の講師がいたのですが・・それが2年のときですね。

「来年は、絶対○○先生に化学を教わりたい!」

と思っていたら、1年でいなくなった理由はそれだったのか。

そして、講師はまだ先生ではないのですね。
この主人公も、教員試験を受けさせられています。で、受かってる。

瀬尾さんは本当に先生をやっているから、何処までが本当の話で何処までが物語なのか分からない部分が結構あります。

どうにも主人公達が妙に楽観的なのが気になる。
まあ、瀬尾さんのエッセイを見ると何となく理由が分かるので楽しかったりもしますが(笑)