元OLの占い師、ルイーズ吉田は大忙し!直観だろうと占い本通りだろうとかまわない。でも、どんなつまらない相談事でも、人生にかかわる一大事でも同じように真剣に占わないといけない。当たる当たらないは問題じゃなく、相手が納得する答えを出さないといけない。「がんばって。きっといいことがあるわ」-
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瀬尾まいこさんの本です。
上司と折が合わずに退職し、面倒な人間関係もなく一人で仕事の出来る占い師として働いている吉田幸子、もといルイーズ吉田は、占い師とは名ばかりで実はちゃんと占ってなどいない。
自分の直感で気持ち良くお客さんに帰ってもらうように、答えを出す。
それでも、よく当たると評判になり地元誌にも紹介される程である。
小学生の男の子が、離婚調停中と思われる両親のどちらについていけばいいか?という相談を受けたり。
または、絶対に振り向かせたい相手がいるからどうすればいいのか?という相談を受け、答えを導いても「うまくいかない」と何度も通ってくる女子高生。
「終わりが見える」という関西弁を喋る大学生の男の子は、弟子入りを志願する。
そして、強運の持ち主であるはずの自分の彼氏に、暗闇の暗示が・・・
4編それぞれが、個性のある相談相手が話の軸になっているので、読んでいて面白い。
特に「終わりが見える」という武田君は良かった。
あと、ルイーズとその彼氏のまったりとして関係は素敵。
近所のデパートより、遠くのスーパーに買い物に行く・・それがデートってどうなんだ!?と思っていたけれど、いやいや・・
こんな関係だったら、憧れます。
瀬尾さんの話は、どうしてこんなに温かい気持ちになれるのかな。