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死神の精度

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ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に、ある時は本格推理風に……様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様。

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伊坂幸太郎さんの本です。

金城武小西真奈美で映画化されるようですが…あまり金城氏のイメージじゃない気がするんですが(苦笑)

その死神には千葉という名前が与えられている。
調査対象の人間に接触し、ある時は20代の若者の姿で、またある時は中年の姿になっては仕事を行う。

一週間、上から指令を受けた対象の人間と接触をし、その人間の死を『可』として報告するか、また『見送り』とするかの判断を下す。

しかし大半の死神は調査前から『可』にする前提で仕事に臨んでいる。
それでも一週間かけて報告をするのには訳があった。

死神達は、ミュージックをこよなく愛している。
ロック、ジャズ、クラシック…
ミュージックを聴く為に、死神達はCDショップで延々視聴をし続ける。

また死神は、素手で人間に触れると触れた人間の寿命を一年縮め、相手はその場に倒れこんでしまう。
そのため、手袋をはめて仕事をしている。
また食べ物は食べる事は出来るが、味が分からない。
睡眠は必要ない。
殴られても痛みを感じない。
更に常識の範囲である知識にうとい…

こんな設定を見ただけでも興味がわきませんか?

それぞれ短編となっているのですが、毎回様々な姿になり調査する、千葉の人間を冷静に見つめる視点が面白いです。

何気なく前に登場した人物が出ていたりと面白いです。

伊坂さんの作品には珍しく割と薄い本なので気軽に読めちゃいます☆


それぞれの短編が、趣が違っているんです。
時に2時間ドラマのサスペンスを見ているかのような、事件だったり。
恋愛小説を読んでいるようであったり。

また、前の話に出てきていた登場人物は確かに同一なのだけど、年齢のない(らしい)死神は現在という時間以外に、何十年の時を経て仕事をしているということが分かります。

古臭さを感じない時代設定のせいか、現代を描いていると思っていたのに、別の話に出てくるときはそれは何十年前のこととして語られていたりするからです。

でも、読みやすいのはやはり伊坂さんの凄さでしょうね。

ぜひ。