その女の子がうちの店にやってきたのは、冬真っ只中の二月のことだ。けっして美人というタイプではなかったが、ついついぼくは見とれてしまった。なぜなら、彼女の肌が透き通るほど白かったからだ。ぼくは石を売るアルバイトをしている。ぼくは、もう一度人を好きになることができるだろうか…。
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先日に引き続き、関口尚さんの本です。
これは・・・多分、売れ筋の本とは縁遠かったんじゃないか・・と思わずにはいられない一冊でした。
いや、関口さんの本は基本的に読みやすいと思うんですよ。
この本だって、決して途中で投げ出したくなるという程酷いものではなかったし。
この本だって、決して途中で投げ出したくなるという程酷いものではなかったし。
ただ、普通の人には馴染みのない石を売るお店のアルバイトをしている主人公という設定の時点で、「石ってあの怪しげな?」と思ってしまうのは否めない。
だがしかし、真っ向な石を扱うお店なんですけども。
その石について、丁寧な説明を織り交ぜて物語は展開されていくのですが・・
第1章は、同じアルバイト先で働いていた元恋人・綾名との出会いと別れを。また、不思議な魅力を持った女の子、雪衣との出会いが描かれる。
第2章は、雪衣との仲が急速に深まっていく中で、明かされていく雪衣のことが描かれる。
第3章は、連絡が途絶えてしまった雪衣とのその後と、火事により失ってしまったお店とその後が描かれる。
・・一個疑問に思ったのは、別に石を売るアルバイトをしているという設定じゃなくても良かったのでは?ということ。
でも、それがなければ割とありふれた展開でもあるから・・これは必要だったのかもしれませんが。
空をつかむまでが良かっただけに、ちょっと残念です。