「ある女性を守って欲しいのです」三年前に医大を辞めた「僕」に、脳神経学の教授が切り出した、突然の頼み。「女性といってもその子はまだ十四歳…。私が殺した女性の娘さんです」二つの波長が共鳴するときに生まれる、その静かな物語-
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本多孝好さんの本です。
初めて読みました。
本多さんと言えば、MOMENTやMISSING何かが有名ですが、やはり有名作家を避ける風潮が自分の中に存在しているので、そのまま読まずに通り過ぎていました。
るいさんがお薦めしてくれたので、地元の図書館にあった唯一の本(今作のことです)を借りてみました。
調べてみたら、結構本を出されている方らしいのですが・・何故地元の図書館にはこれ以外は、アンソロジー小説2冊しか本多さんの本を置いていないのかが甚だ疑問です。
会社の近くの図書館にはやはり揃っていたので、今度借りてみます。
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大学時代、さしてかかわりがあったわけでもなかった教授から、突然「自分が殺した女性の娘を守って欲しい」という変わった依頼を受けた柳瀬。
そして、その娘-サクラと波長を合わせようとしたところで・・その気配に気付かれた為、波長を合わせる事に失敗する。
柳瀬には、時々自分でも抑えられない能力というものが存在していた。
学院の生徒の母親が、息子が通り魔の犯人であることに気付きおびえる。
犯人の生徒を自首させようと話をする柳瀬。
犯人の生徒を自首させようと話をする柳瀬。
親子それぞれの波長が自分の波長に捉えられた瞬間、彼らは内に秘めた思いをぶちまける。
母を父に殺され、その父も自殺して両親を失った柳瀬。
父に備わっていた能力。
父に備わっていた能力。
その事件の真相とは?
また、サクラとの接触を試みるうち、殺された母、浮気をする父との問題が表に出始める・・
その時柳瀬が取った行動は・・・
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一言で感想を言うと、難しい。
柳瀬や父が持つその能力というものについて、もっと詳しく書いて欲しかったなあという感じ。
説明はされているのだけど、やはり私にとっては難しかった。
学院の中の出来事と、柳瀬自信の両親の死に関すること、サクラのこと・・・
色々な事件が混在しているせいか、少しまとまりがない感もありました。
でも、決して話がダラダラしている訳ではない。
多分もっと煮詰めていったら面白い話ではあると思います。
多分もっと煮詰めていったら面白い話ではあると思います。
他の作品も読んでみたいと思った作家です。
まだ石田さんも読みきれていないし(かなり出しているからね)、最近は伊坂さんも読み始めたし、本多さんにも興味が出てきたのでいくら読んでも読みきらないなあ。
嬉しいことですが。
基本的に女性作家が好きだと思っていたのですが、男性作家でもミステリ寄りの作家さんはなかなか逸材そろいですね。
豊島ミホさんの新刊も今月末に出るようなので、楽しみです。